道具から料理とキッチンを見つめ直す時間
先週金曜日の6月7日の夜に、ピースオブケイクさんのオフィスで行われた山口さんと有賀さんのイベントに行ってきました。
お二人が使っていらっしゃるキッチン道具の紹介を話の中心にしながらも、なんだかそこにとどまらないいろいろな話がうかがえました。詳細なレポートはkenさんがすでに書いてくださっているので、自分はお二人と参加者のみなさんと話して感じたことを、メモ書き的に残してみようと思います。
「いいものを選んだほうが良い道具」と「どうでもいい道具」の緩急をつける
たくさんの道具を紹介してくださった今回のイベントですが、まず印象的だったのは道具に対する緩急をつけていらっしゃることでした。
例えば、包丁はお二人とも絶対的に良いものを使おうと仰っていましたが、一方で菜箸とか大さじ小さじみたいなものは、なんでもOKなものもあるよ、というスタンスだったのがとってもためになりました。
料理家さんであっても、すべての道具に対してこだわっているわけじゃないとわかったことは、一般人の自分にとってもホッとした部分でもあったからです。
Amazonにせよ、楽天にせよ、東急ハンズにせよ、「良い調理道具」は探せば無限に出てきますが、すべてがそうでなくてもいい。緩急をつければ十分に快適に料理できるんだなというのが一番の大きな収穫でした。
「自分にとってどう感じる道具か」を大切にする
例えば、包丁。
グリップの部分で、握りやすさに違いが出てきます。たとえ良いものであっても、ある人にとっては使いやすくても、ある人にとっては使いにくくもある。
この日、お二人が実際に使われている包丁を握らせてもらいましたが、やっぱり全然感覚が違う。お二人とも良い包丁を使われていましたが、山口さんは山口さんの手や感覚に、有賀さんは有賀さんの手や感覚に、フィットする包丁を選ばれていました。もしお互いが包丁を交換をしていたら、使いづらくて仕方ないのかもしれません。
「いい道具」は検索すればたくさんあるけれど、「自分にとっていい道具」は経験値を積んで出会うしかない。だからこそ、「自分にとってどう感じる道具か」というのは、もっと大事にしていいことなんだなとすごく思いました。
「点」から「線」の中で料理道具を考える
このイベントでは、ピースオブケイクさんのスペースで擬似的なキッチンを作って、お二人の道具を見せていただきました。(下のツイのような感じ)
もし、一つ一つの道具を、単品でスライドの前に座って見せてもらっても、あまりピンとこなかったと思います。それよりも、キッチンの空間の中で、どんな風に置かれたり、どんな風に使ったり、というように見せてくださった今回のやり方は、自分にもピンと来やすかった。
たぶん、どんなに良い道具があっても、「点」のままでは良さがわからない。キッチンという空間の中で、実際の料理の工程の「線」の中に置かれて、初めて良さがわかってくるし、活かされていくのだろうなと感じました。
終わりに
キッチンは各御家庭で違う形だし、料理する人の導線も違います。
今回のイベントでお二人が伝えてくださったことはきっと、「唯一の正解」ではなくて、「考えるきっかけ」とか「ヒント」なんだろうなと思いました。
お二人が伝えてくださったことをもとに、
・自分の家だったらどうするだろう?
・ライフステージが変わったら、どんな風にキッチンを組み立てていこう?
なんて考えながら、キッチン道具売り場を見るのも楽しそうです。レシピばかりじゃない、料理の楽しみ方や考え方を教わり、とても良い時間になったと思いました。
有賀さん、山口さん、そしてご一緒させていただいた皆様、ありがとうございました!