魔法の魔法瓶
いつからだろう
我が家には「魔法の魔法瓶」がある
代々伝わるという代物ではない
ポイントでもらった?
何かの記念品?
買った覚えはないがいつからかキッチンの一員として収まっている
だがこの魔法瓶には秘密があった
冬の間
我が家では朝に石油ストーブを使うのだが、貴重なエネルギーを無駄遣いしないように当然ヤカンを載っけて湯を沸かす
のっけているヤカンがけっこう大きなモノなのだが、ストーブの火力というのはたいしたものでわりとすぐにお湯が沸く
我が家では「もったいない」が、家訓である⁉️訳ではないが合い言葉のようになっているので、ストーブは朝一時間ほどつけるだけですぐに消される
だがその時間だけでもヤカンのお湯は沸騰する
お湯は当然利用するためにポットに移されるのだが、まずは安定のタイガーポット
電気も使わない保温専用ポットだ
2リットル入る
このポットは優れもので、朝いれたお湯で夕方まで十分インスタントコーヒーが淹れられる
素晴らしい保温力だ
ヤカンのお湯は3リットル以上あるので残りを500ml の保温水筒に入れる
コイツもかなり優れもので昼過ぎ頃までは十分インスタントコーヒーが淹れられる
それでも残ったお湯はもったいないので例の魔法瓶に入れる
だがこの魔法瓶は「魔法の魔法瓶」だ
入れてから一、二時間もするとすっかり冷めてしまいインスタントコーヒーなど溶け残ってしまうほどなのだ
「魔法瓶」のハズなのだが、
…外見はしっかり「魔法瓶」なのだが、
なんなんだこの保温力の無さは
こんなことならヤカンに残したままにしておいてもたいして変わらないぞ
何の役にもたたない
なんだコイツは!
とは思うのだが
それでもヤカンに残ったお湯が、何かもったいないような気がしてしまい、毎回この「魔法瓶」にお湯を移し代えているのだ
魔法瓶の外見をしているにもかかわらず、あまりの保温力の無さと、それでもコイツにお湯を入れずにはいられなくなるこの心情
さすが「魔法の魔法瓶」
その魔力で、いつまでもキッチンの一員として居続けるのだろうか
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