見出し画像

そりゃ犬も喰わん

ということは、この悪感情に身を委ねるしかないのか。

たまに、というほどにも珍しくもない。
定期的にあると言ってもいいくらいだ。

この、突然の妻からの攻撃性にほとほと困っている。

本人にはその自覚はおそらくないのだろう。
自分は間違っていないと確信していることが、その態度の端々に見てとれる。

「うわぁ、またきたで」

思ったときにはすでに遅い。
為す術もなく、その場においては触発された自分の感情が猛り狂うのを抑えることだけで精一杯だ。

耐えるしかないのか。
笑顔で切り返すなどという離れ業は私にはできない。

エスカレートしないように沈黙するか、その場を離れるか。

しかしその場を離れたところで、そのときにはすでに私の中には悪感情が渦巻いてしまっていることばかりは、どうしようもできない。

その自分の中の悪感情をいつまで抱えていれば良いのか。
昇華させるまで早くて2日。
下手をすれば一週間以上拗らせることもある。


 その日のきっかけも、私からしたら意味不明だった。

家族内の風邪(コロナ?)の感染が収まりつつあった金曜の夜。

「みんな熱下がったけど、明日のピアノは止めておいた方がええやろうなぁ」

次男が通っているピアノ教室の先生はけっこう高齢である。

「明後日のばあちゃん家行くのも止めた方がエエかもな」
「熱下がってもウィルス撒き散らしよるみたいやしな」

これだけ言っただけである。

「えらいコロナ、コロナたいそうなこと言いよるやん」
「こんなちょっと熱出るくらい大袈裟に言うて」
「コロナってそんなに大変なん?」

もう、なぜかケンカ口調である。

何故突然こんなことでケンカを売られなきゃならんのか?
 
今回のコロナ騒動にはだいぶ苛立っていたということもあるのかもしれないが、私は別にコロナを、取り立てて特別扱いしたつもりはない。

コロナだろうとインフルエンザだろうと、その他の風邪だろうと、熱が下がったからと言って完治した訳じゃないことを言っただけである。

それを言うなら今回の「コロナ騒動」に関して私はかなり懐疑派である。

国の政策にしろマスコミにしろここまで騒ぎ立てる必要があったとは思っていない。
しかもコロナワクチンはかなりヤバいと思っている。得体の知れないモノたちによる、計り知れない意図が見てとれる。

しかし、それと重症化を危惧することとは別次元の話である。
(異次元の少子化対策とはまた意味不明だが)

それをまるで私がコロナ騒動を煽っているかのような言われようである。

いったい何が妻の逆鱗に触れたのかは皆目見当もつかないが、まるでこのコロナ騒動の扇動者かのごとく集中砲火を浴びた。

 私はとにかく早々に議論を打ち切って事態の収拾を図ろうとした。
が、時すでに遅し、もう私の心の中に黒いわだかまりをどろんと抱え込んでしまった。

何度出くわしても上手い対処方法をを見つけられずにいる。
この黒いわだかまりを犬にでも喰わしてしまいたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?