アシナガバチ紛争
玄関先の花水木にアシナガバチが5~6匹も集っているのを発見した。
これは、もしや巣を作ろうと企てているのだなと早速駆除させてもらうことにした。
いつもは、巣を作るときでも大抵は1~2匹でいるのを見つけるくらいなのだが今回は数が多い。
アシナガバチは、日頃から割りと頻繁に現れるのですぐに対応できるように玄関に殺虫剤は用意している。
家の回りで見つけたらなるべく早く駆除するようにはしているのだが、どこからともなく現れてまた巣を作ろうとする。
どうも近くに、その元になっているハチの溜まり場のようなところがあるのではと思っていた。
殺虫剤を噴霧され、ポロポロと落ちるハチと、中には落ちかけて、しかしかろうじてこらえて、体制を建て直してヨロヨロと飛んでいくやつもいる。
それを少し追いかけて行ってみると、我が家とはあまり親交の無いお宅の中庭へと逃げ込んで行った。
あまり手入れをこまめにしているようでもなく、植木やら雑草やらで少しうっそうとした感じの中庭だ。
よく見ると数匹のハチが出入りしている。奥の方に巣のようなものも見える。
通学路の途中でもあるのだが、他人の家の庭の中なので手出しはできない。
その家の人がそれなりの対処をしてくれればと思うのだが、そこは地域の行事事にも顔を出すことの無いお宅で、おそらくハチの事など気にもしていないのだろう。
ハチたちは、まるで治外法権のように、その中では安泰で我が物顔でいるように見える。
ならばそこにずっと留まっていてくれれば良いのに、外の世界へと領土拡大すべく侵攻してくるのだ。
今の世界を見る限り、人もハチも、生命を持つものというのはそういうものなのか。
しのぎを削って勝ち上がるものが造って行く世界なのか。
せめて家の回りには来ないように、子どもたちが刺されないように、私は家の近所に来るハチたちを殺しまくる。自衛の為の行動である。
家の周囲で巣を発見しようものなら、中にいる女、子どもも容赦しない。大量殺戮だ。
ただそこで暮らしているだけのハチたちには申し訳ないが、それよりも自分達の子どもが危険な目に合わないようにする為には、決して御国の為ではなく、致し方ない事だと心を鬼にして罪悪感を押さえつける。
この世界で勝ち上がって行く為に。