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線形代数(二次形式、座標系)


二次形式

二次形式とは

A をn次実対称行列、xをn次元ベクトルとすると(x, Ax)をAの定める二次形式という。A の定める二次形式を A[x] と書く。二次形式は、二次の項のみから構成される。A のことを系数行列という。

正定値、半正定値とは

(x, Ax) > 0の時、A は正定値という。また、(x, Ax) $${\geq}$$ 0 の時 A は半正定値という。あるいは、半正定値のことを非正定値ともいう。

エルミート形式とは

今までは、行列の要素が全て実数である、実対称行列を扱ってきたがそれを複素数の領域まで広げて考える。H をn次エルミート行列、x をn次元複素ベクトルとすると、(x, Hx)を H の定めるエルミート形式という。ここでの正定値、半正定値の定義は以下のようにする。全ての固有値が正ならば、H は正定値。全ての固有値が非負ならば、H は半正定値。

二次形式の最大値・最小値

実対称行列 A の最大固有値を$${\alpha}$$、最小値を$${\beta}$$とすると、$${\alpha = sup (x, Ax) = sup\frac{(x, Ax)}{(x, x)}}$$、$${\beta = inf\frac{(x, Ax)}{x, x}}$$

二次形式の標準形

A を実対称行列とする、$${F(x) = x^TAx}$$ に対し適当な直行行列Pを用いて $${x = Px'}$$ で定め、交差項のない形で表したものを標準形という。

二次形式の符号

ある実対称行列 A の正の固有値の数(p)を正の慣性指数、負の固有値の数(q)を負の慣性指数と呼ぶ。p+q は A のランクを表している。この時二次形式 A[x] の符号を(p, q) で定める。この時A[x] は正定値であるならば、(p, q) = (n, 0)で、A[x] が半正定値ならば q = 0が成り立つ。

座標系とは

平面内の原点と一つの正規直交系$${<e_1, e_2>}$$の組みを座標系という。ある点を$${e_1, e_2}$$の線形結合で表したとき、係数を取り出したものを座標という。

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