弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第24話 アンコン地区予選当日
本番直前にリードが合わないという深刻な問題を抱えたまま、我が家は本番前夜をむかえました。
夜9時から親子で最終確認をして、リードのベスト3を決めることにしました。
そんな時、保護者会長さんよりグループLINEを通して謎の案内が発せられます。
『本番当日である明日の朝は楽器運びのお手伝いはありません。本日の内に楽器は全て会場に運んでいます。』
たぶん何かの間違えか勘違いだろうと思っておりました。
少し心配になって、別件で話をしていたフルートの保護者さんにも確認したところ、
『本番当日の朝、学校で音出しや最終確認をするはずだから、前日に運ぶことはない。』
やっぱりそうだよな〜。気を取り直して娘と最終リード選びを始めました。
一つ一つ色んな音域で音を出しては、選定していく。やがて3つに絞られました。
カスレ気味の音や、マイクのハウリングのような不快な響きがするリードは無くなり、明日の朝練で最終候補を決めることにしました。
そしていよいよ本番当日の朝がやってきました。
ドキュメンタリーっぽく子供達の様子を撮影して、後で記念のDVDにでも映像を入れようと思い、GoProで撮影。
後でバスにも乗り込んで撮影する予定です。
子供達は朝から真剣な表情で練習に励みます。去年と違い、時間ギリギリにくる子供や、寝癖をしたままの子供はいませんw
いよいよ学校を出発し、会場へ向かう時間となりました。
顧問の先生はおもむろに子供達へ語りかけます。
『それでは保護者の方のクルマに楽器を積んでくださ〜い!』
私 !!!
保護者の方って私と、フルートの子の親しかいません。
撮影していたカメラのスイッチオフ・・
全力で自家用車に走ります❗️
撮影どころではないです・・
生きた心地がしませんでした。
幸いにも私の自家用車は大きめのミニバンです。いつも積んである荷物は奇跡的に降ろしていました。
なんとか全楽器の半分くらいは積載できました。しかしまだまだ楽器は残っています。
前日の夜に保護者会長さんより発せられた謎のLINE。
保護者の皆さんはそれを確認し、直接会場入りしていたようです。
木管三重奏チームのもう1人の保護者さんへ連絡し、至急学校へ駆けつけてもらうよう頼みました。
なんとか全楽器の積み込みが完了しました。
その後、保護者会長さんが学校に現れます。
私『何をしに来られたの?』
会長さん『見送りしようかと思って』
お笑いのような話ですが、我々は所詮、弱小吹奏楽部です・・・
色々と決意を新たにした瞬間でした✨
子供達が今日演奏する楽器を、私のクルマで運びます。
車間距離が気になって仕方ありません。
私が事故でも起こせば、子供達の苦労は一瞬にして水の泡となります。緊張しました。
楽器を会場へ運び入れ、ホッとしました💦
後は子供達の演奏を集中して鑑賞することができるぞ〜♪
地区大会は中学校の部、全48チームが参加して12チームが代表として県大会に進めることになっておりました。
娘が演奏するのは前半の部ラスト23番目。朝一の団体から順に鑑賞することができました。
娘たちの演奏は生で何回か聴いていたし、動画編集で何度も見ているせいか、娘たちの木管三重奏が一つの基準となって他団体の演奏を聴くことができました。
弱小吹奏楽部の根性が抜けきれないせいか理解できませんが、次々と登場してくる団体の演奏を聴いては、不思議な感覚に襲われていました。
もうかなりの団体の演奏が終わりましたが、娘たちを上回るような上手な演奏をする団体が出てきません。
私は音楽素人だし、感覚的に何かの間違えだろうと思っていました。そして木管三重奏の出番です。
演奏が始まります。
娘たちだけ楽器にマイクを付けているのではないか?
それくらい音量が違っています。
すでにフルートの子の母親は泣き出しています。まだ終わってないぞ〜😅
最後が近づき、Pで抑えて演奏するところも3人の呼吸がピッタリ合っていました。
演奏タイムも余裕残しでOKです。リードもバッチリ。
娘たちの演奏終了と同時に、午前の部も終了しました。
顧問の先生は満面の笑みです。『金賞代表はほぼ大丈夫だと思います❗️』
先生、ありがとうございます❗️
でも私自身、不思議とあまり感動が無く、次のステージへ向けて気持ちを切り替えていました。
密かに支部大会進出を狙っていました。
これから年末年始を挟んで、勝負の準備期間が始まります。