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第2話 高校入学&吹奏楽

 入学式の日を迎えた。時間が経つのは本当に早いものだ。この前までランドセルを背負っていた娘が、いまや高校生である。中学三年間は一瞬のまばたきのようなものだ。

 入学式会場へクラス分けされた子供達が入場してきた。吹奏楽の2・3年生が歓迎の演奏を披露。20人くらいの規模だが、中学生の吹奏楽とはレベルが違う上手な演奏だ。テンションが上がってきた。

 式が終わり、各クラスに分かれての学級懇親会が始まった。親が自身の自己紹介や、子供の志望理由などをそれぞれ順番に発表していった。

 『この高校の吹奏楽に憧れて入学した』
 『大好きな吹奏楽を続けたい』

 吹奏楽関係の志望理由が多いこと多いこと💦私にとっては同志の親達である。
 私の順番が回ってきた。私はこの高校の卒業生でもあるので、過去のやらかし話をまじえつつ、吹奏楽に対する想いを語ってみた。

 懇親会が終わり、やはりというか、吹奏楽関係者の親が自然と集まりだした。
 『〇〇中でトランペットをやっていました』
 『〇〇中のクラリネットです。合同練習をしたのを覚えていますか?』
 『もう少しで全国大会でしたね!』
 こんな会話で親達は盛り上がる。

 4月の入学式の後は、5月中旬の定期演奏会である。希望するパートの楽器を担当できるかどうか、私の心配はこの一点だ。


 入学式が終わり、翌日から娘の高校生活がスタートした。朝の通学時、娘の同級生達がそれぞれ違う制服を着て登校していく。そこにはとにかく新鮮な光景が広がる。

 部活動は当然ながら吹奏楽&クラリネットを希望。その結果、クラリネットパートは全体で10人となった。
 どうやら楽器の変更はなく、クラリネット希望者はそのまま希望通りに決定したようである。同級生のクラリネットは7人、他は2年生2人・3年生1人。

 中学三年間で同級生のクラリネットは誰もいなかったし、全学年合わせても3人でMAX。
 それだけに、ある意味で対等に話ができるクラリネット仲間が多くいることが楽しいようだ。ここから時間をかけてメンバーが淘汰されていくのかもしれないし、何ともいえない状況ではあるが、まずは一安心。

 入部したばかりのタイミングではあるが、1ヶ月後の定期演奏会に向けて練習を開始。
 毎日楽しい感想を娘から聞きながら、期待は膨らんでいった。
 定期演奏会まで1ヶ月しかないものの、入部した28名中、27名が経験者。
 そのため、ある程度はカタチになる状態で演奏会を鑑賞できそうである。

 私は他の高校への進学を勧めてきた手前、今一つ気持ちが乗り切れていなかった。
 しかし始まってみれば応援モード全開となりつつあった。
 不思議な感情を抱えながら、今後の展開に希望が湧いてきた。

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