弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第29話 まさかの連続曲被り
本番当日の朝を迎え、300%二日酔いを覚悟していたものの、気合いと緊張で変にスッキリとした感覚で起床しました。
会場へ向かう途中、今回の大会に出場しない子供の保護者さん数名から、『今どこにいますか〜?』と連絡が・・
遠いところからわざわざ応援に駆けつけてくれています。
一気にテンションが上がってきます❗️
おそらく地元を朝4時くらいに出発しないとこの時間には間に合わないはずです。そしてありがたいことに差入れもいただいて・・
本番前にも関わらず、感謝と感動で胸が熱くなりました。
会場入り口から受付付近では行列ができています。我々もチケット片手に列へ並びました。
出場するメンバーが支度部屋を出て、次の待機場所へ向かう時、我々の行列近くを通ります。
娘達は3番目ですが、1、2番目の演奏グループはすでに我々の横を通り過ぎました。
そのグループの保護者でしょうか⁈
激励の言葉をかけていました。
なるほど・・ 演奏前に声をかけられるのはこの場面が最後か。
そして私たちが並ぶ行列の近くに、娘たちと顧問の先生が歩いてきました。
『〇〇中〜!頑張れ〜!』
自分でもビックリするくらい大きな声で叫んでしまいました💦
打合せなんてしていないのに、他の保護者たちも続いて絶叫。
受付待ちの大勢のお客様が振り返ります。
笑いが起きているのがわかりましたが、子供たちと先生は、なんとガッツポーズで応えてくれました^o^
私の元々のキャラではないので、勇気のいる行動でした。
吉田松陰の名言「かくすれば、かくなるものと知りながら、やむにやまれぬ大和魂」
最近ずっと吉田松陰に関する書籍を読んでいましたので、気持ちがたかぶると行動に出てしまいます😅
受付が開始されました。プログラムを受け取って客席へ向かいます。元々ある程度決めていた席を確保できました。
一息ついてプログラムを眺めます。吹奏楽連盟の会長さんの挨拶文など一通り目を通して、出場チームと演奏曲を確認します。
3番目に登場する娘達が紹介されています。
『〇〇中学校 木管三重奏 花の香る季節に』
なんと❗️2番目に演奏するグループは・・
『△△中学校 木管三重奏 花の香る季節に』
演奏曲が被ることはコンクールではよくある話で、特に課題曲は必然的にそうなります。
が、しかし、アンサンブルコンテストで曲被り。しかも、まさかの連続曲被り・・・
一つ前の団体は、今年の夏のコンクールで支部大会まで勝ち進んだ、団体としては格上のチームです。
さらにさらに!
プログラムを最後まで見てみると、我々の演奏曲と完全に被ったチームが、55団体中に4チームもあります💦
弱小吹奏楽部ゆえ、あまり大会出場経験がありませんので、この現実に驚愕します。
二日酔いなど一瞬にして吹き飛びました。
そもそも我々のような弱小チームが来るところではなく、小学校時代から演奏経験を積み重ねてきた中学生、そんな子供たちが多く出場する大会かと想像していました。
このままでは娘達は公開処刑されてしまう。そんな境地となっていました。
完全に気持ちで負けた状態で、大会のプログラムは開始されました。
朝イチのチームの演奏が始まります。トップバッターは不利などと言われることがありますが、実際はどうなのか・・
我々も55チーム中3番目なので、多少マシな程度でしょうけど。
2チーム目、連続曲被りの他校が登場しました。娘たちと違うのはアルトサックスではなくてバスクラリネットを使用しています。
もう何度も聴いた曲だけに、他チームの演奏は新鮮な響きに聞こえます。
なんかバスクラリネットが入ると上品な感じの印象でした。なんとなく。
そしてキレイな音です。大丈夫か〜娘たち。
そして3チーム目、娘たちが登場です❗️司会者は全く同じ曲名をアナウンスします。
演奏が始まります♪ 順調に進んでいきます。私の余計なアドバイスでテンポが早めです💦
前のチームが綺麗で上品ななクラシックだとすれば、娘達のチームはヒップホップのようなアップテンポでノリノリの演奏・・同じ曲なのに違いがハッキリしていました。
どちらが審査員の評価を高くするのか、私には分かりません。演奏が終わり、3人のお辞儀までアップテンポで笑えました。
そして、終わりました。
結果は夜、吹奏楽連盟のネットで発表です。
他のチームの演奏を聴いていたら、本日中に帰れなくなります。我々は会場を後にしました。
長いドライブを経て学校に帰ってきました。子供達のバスを待つ間、後輩の子の保護者たち数名が差入れを持ってきてくれました。
今回の連続曲被りの件や、会場の雰囲気など一通り他の保護者に伝え、来年のために役立つ情報なども話しました。
子供達と先生が帰ってきます。『結果が楽しみだね〜』皆んなと話して解散。
帰宅後すぐに結果が出ました。
金賞🥇です❗️
弱小吹奏楽部、ついに県を代表するような演奏ができるようになりました。
曲が被った前のチームは銀賞でした。
代表となって支部大会へは進めませんでしたが、娘は満足しているようでした。
私は電話やLINEの対応でてんてこ舞い。
中学校吹奏楽部の活動もあと約半年。
この後の目標設定をしていません。
どうなるのか弱小吹奏楽部。そんな心境でした。
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