弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第32話 最初で最後の定期演奏会 Part2
定期演奏会直前、2年生保護者の皆様が会場の装飾品を作成していました。
写真を切り抜いてコルクボードに貼ったり、色々な文字を作って見栄え良くウェルカムボードを作ってくれています。
写真が不足しているようで、私の膨大な記録写真や、動画から静止画を切り出してお渡ししました。
そして作成風景を動画で撮って、後で編集します。そうお伝えするとみんな顔を隠します😅
2年生保護者の皆さんは団結して前向きに行動しています。私を含め3年生保護者はなかなか表に出てきません。
そして定期演奏会当日をむかえました。
会場入り口に大きめのデジタルサイネージ(勤務先から拝借)を設置して、ポスターのデジタルデータと演奏プログラムを流します。
学校の入り口が何ヶ所かあり分かりづらいため、ブラックボードに装飾&ウェルカム風に作成して導線を示します。
会場に入ってすぐのところに長テーブルを置き、夏コンとアンコンの表彰状・トロフィーを設置。黒いクロスを下に敷いて床はレッドカーペットにします。
長テーブルの背後には学校の備品をお借りして映像用のモニターを設置。夏コンとアンコンの演奏動画をエンドレスで流します。
とりあえず私の準備は完了です。一気に安堵感と疲れが襲ってきて意識朦朧となりました。
本当は会場入り口でウェルカムコンサートをパート毎にやりたかったのですが、余裕が無いからと先生に断られていました。
実際、本当に余裕はなかったです・・
受付開始まであと約1時間、疲れ果て車で仮眠することにしました。
30分ほど経ったあたりで、車のガラス窓をコンコンとする音がして起きました。
見てみると近所の小学生たちです。
私が起きるとニコニコ笑顔で手を振ってくれます。その後方には親たちがいて、笑っていました。
まもなく演奏会が開始されるのに、何で誘ってくれた私が車の中で寝てるんだろう?こう思ったそうです。
確かに変な光景です。
すっかりリフレッシュした私は、お誘いした家族の方々と一緒に会場へ再度向かいました。
入り口のウェルカムボードを見た近所の皆さんが『スゴ〜い!』と指差します。私は心の中で小さくガッツポーズ。
なぜか会場まで案内をしている私です。すでに吹奏楽部の活動の様子が装飾展示されていました。最高に嬉しい気持ちになり、この場面はこうで〜・・など色々と説明します。大勢のお客様が興味深そうに見てくれています。
演奏会場入り口の映像モニター付近はどうなっているのか気になり、案内ついでに行ってみます。
なんと人だかりができています!時折り指を向けながら見る人、小さく拍手をしながら見る人、製作者冥利に尽きます。
映像は夏コンもアンコンも県大会での演奏です。保護者向けに販売されたブルーレイを編集し、文字を入れて制作しました。
夏コンは3人が補欠メンバーで映っていませんし、アンコンは木管3人だけです。
頑張っている全員が登場する映像なら良かったのですが、残念です。心が痛みました。
お客様の数が150人を超えてきました。体育館の演奏ですので、もう充分な来場数でした。
用意したパイプ椅子の空きは無くなりつつあります。
ようやく緒戦の地区大会を突破できるレベルの、何の実績もない吹奏楽部です。本当に地域の皆様には感謝しかありません。
そして、演奏がスタートしました!
最初は全日本吹奏楽コンクール2022年度課題曲Ⅱマーチ『ブルー・スプリング』です。
とにかくクラリネットが目立つ曲です。クラリネットは3年の娘、2年生2人の計3人です。全力でトリルをかまします。
顧問の先生はマイ楽器のトロンボーンで参戦です。2年生2人と計3人でメロディー・リズムを刻みます。
トロンボーン・トランペットの列に別カメラを設置していて、なかなか良い感じに撮影できておりました。
そしてプログラムは進みます。アンサンブルステージで装飾用の風船が割れてしまい、体育館中に炸裂音が響き渡るというアクシデント😅もありましたが、良い感じで進行していきました。
風船が割れることは想定していなかったですが、振り返るとリスクの高い装飾品ですね。
また一般的なコンサートなどと違い、カメラやスマホなどの注意事項のアナウンスも特にしなかったため、着信音・カメラのフラッシュなども遠慮なく発生していました💦
まぁ、それも田舎のコンサートっぽくて味わいがあります。
ポップスステージは演奏で楽しませてくれました。手拍子も自然と起きました。
最後は新一年生候補?!の8人が踊りのパフォーマンスで参加します。入学してまだ数週間の子供たちは一生懸命にダンスを披露してくれました。
そしてお開きです。門送りのために子供達は入り口に並びます。お客様が笑顔で退場されます。子供達も笑顔です。あちこちで記念撮影をしています。
プログラムは全て終わりました。
感無量です。
本当に今まで生きてきて良かったとさえ思えました。子供達と先生・保護者にとって大切な思い出がまた一つできました。
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