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弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第20話 新チームの船出

万年地区予選敗退の我が吹奏楽部は、ようやく地区レベルを脱出しつつあった。
次の目標は県大会での上位入賞、そして支部大会への出場(欲張りかも)である。
一つの試練を乗り越えても、また高い壁が容赦なく立ちはだかる。まさに人生そのものですね。

次の目標は12月に地区予選が始まるアンサンブルコンテスト。
これは3〜8人の出場メンバーでチームを編成し、文字通りアンサンブルの演奏をして評価を競う大会だ。
クラリネットのレッスンに週一で通い始めて約半年。娘の演奏能力は着実に向上しているはず。そう信じたいけど。

新チームの役割が決まり、娘は全体のバンドマスターという役割になった。コンサートマスターという言葉は良く耳にするけど、同じような意味かな?素人の私にはよく分からない。

他の3年生の子達はそれぞれ部長、副部長、各パートのリーダーとなった。
同級生が6人しかいない我が吹奏楽部。必ず何らかの役割が与えられる環境。

自分自身がどう考えようと、おかれた立場・役割がその人間を形成・成長させる場合もあるわけなので、ドキドキしながらもこれからの展開に良い意味で期待感が湧いてきた。

12月のアンサンブルコンテスト地区大会前、3年生が卒部するお別れ会&コンサート、10月に予定の各地区の文化祭での演奏とイベントが少々続く。

私は私でお別れ会で上映する後輩からのメッセージ動画撮影・取材・編集、3年生卒部記念通信の編集・取材・作成と、なかなかのハードワーク。取材は勤務先の休日に合わせてアポを入れ、編集作業は帰宅後の夜に気合いでパソコンへ向かう。

記念通信では、引退する3年生一人一人から部活の思い出や後輩へのメッセージを考えてもらい、写真と私が独自に考えた見出しを付けて掲載してみた。娘とパートが同じだったり、親同士でしょっちゅう話している子供なんかは情報が多くあるので、見出しの文章を考えるのが楽しかった。

「部長として強いリーダーシップを発揮し、○○中吹部を5年ぶりに県大会へ導く」
トロンボーンパート3年 ○○○○さん (活躍している写真を掲載する)

みたいな感じで作っていく

12人分を作らなければいけないのだが、半分くらいの3年生はあまり関りがなく、これといった特徴がわからないため難航・・
娘や他の保護者に特徴を聞きながら作成を進めていく。
「○○先輩はいつも部室に一番乗りできて準備をしていたよ」
「○○先輩は最初トランペットを希望したけど叶わなくて部活をやめようと思ったらしいよ、でも今の打楽器パートで良かったって言ってたよ」
などなど情報が集まりだしたため、なんとか形になった。

思いがけない形で子供達一人一人のアナザーストーリーを知ることができた。苦労して作ったけど、やって良かったと思った。

出来上がった通信は芸能人を紹介する雑誌風の構成になった。顧問の先生へメールで送って検閲してもらい、無事OKをもらえたので子供達に配布してもらった。

次は3年生の卒部イベントで流す動画の作成だ。ファイト!

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