上製本をつくった話
憧れだった上製本をどこかでつくってみたいな〜と思っており、ちょうどジャンル的にもお話的にもあいそうだったのでチャレンジしてみることにしました。
上製本とは
上製本とは、本文を厚い表紙でくるんだ形で製本されるものを指します。厚紙を用いた硬い表紙はハードカバーとも呼ばれます。
今回はこの本をつくる際にやったことをメモしていきます。
お願いした印刷所
上製本をつくれる印刷所はいくつかあるのですが、わたしは安価でつくれる・少部数でも対応できるおたクラブさんにお願いしました。
「80P以上のページ数が必要」「19営業日納期」と制作条件は限られますが、つくってよかった!と思える出来のものになったと思います。
※2023年12月現在、A5・B6のハードカバー無線綴じは受注の都合で休止しているようです(詳しくはこちらのお知らせをご覧ください)来年1月以降に再開予定だそうです!
表紙のデータ
発行ジャンルの「主人公たちの物語が本として別の時代に受け継がれていく」というエピソードがすごく好きだったため、児童書やおとぎ話のような表紙にしたい、と決めていました。
おたクラブさんのテンプレートを利用し、こんな感じで表紙を作成しています。サイズはB6です。
中に折り込まれる部分はあれど、ほぼつくる内容としては無線綴じと変わらず、表1・背幅・表4という構成になっています。
ノド側部分の余白について
表紙をつくっているあいだに手元の上製本やネット上の制作事例をかなり参考にしたのですが、その上で悩んだことがこれ。
表紙のノド側(製本されて折り目ができる部分)の余白に余裕を持たせたい…!
というのも、当初の想定のとおり児童書っぽいデザインにしたいと思っており、手元にある上製本も製本部分に沿って少しだけ余白をとられているので、同じようなことがしたい、と考えていました。
マージン部分を均一にできなくとも、多少ノド側に余白をあけた形で製本したい。
ということで、おたクラブさんにお問い合わせしてみました。
とのことで、もう少しスレスレでもいいかな〜…と思い、小口側は13mm・ノド側は18.5mmの余白をあけて入稿しています。
実際のものを見ても、ノド側に絵柄がかからないようになったので、考慮してよかったな〜と思っています。ノド側は本当にギリギリだったので、これでもOKだけどしっかり20mm取っておいてもよかったかも。
見返し・遊び紙について
見返しと遊び紙については、別々の色を選ぶこともできるのですが、今回は敢えて一緒にしてみました。
手持ちの一般書籍の上製本がどれも見返しと遊び紙は同じものを使用している印象だったので、そちらを参考にしています。
本のなかに出てくるふたりが「炎」にまつわる・公家の血筋である人たちなので、赤か金色の紙を使いたかったのですが…悩みに悩んで遊び紙と見返しにはミランダしんくを使っています。しっとりきらきらする印象になったのでお気に入りです。
表紙にはキャライメージの色などを使わなかったので、ここでキャラに関係する赤い色が目に入るのはよかったかも。
今回は見返しも遊び紙も同じ紙にしましたが、テーマやカップリングにあわせて別々の色や紙にするのもいいな〜!と思います。
また、スピンの色も見返し・遊び紙の色に合わせて紅色を選択しています。
できた本
というわけで、悩みに悩みましたが想定通りのものができてよかった…!という印象の本になりました。
上製本にするにしてはページ数が少なかったかな(130P)、とも思っていたのですがきれいに製本していただけています。
背幅にはタイトルをいれたのですが、ごまかしが効かない大きめフォントにしてしまったのでものによっては若干のズレがありました。フォントを小さくするかもう少し分厚い本にできればズレは軽減できるかな〜という印象でした。
まとめ
制作するには条件も多い上製本なのですが、つくってよかった〜!と思えるものになったので、一度やってみたいという方にはおすすめです。
細かい部分を気にしている部分が多かったですが、少しでも面白く思っていただけたら幸いです。