キャッチーな題材になったんだなあ/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(22.2.6-22.2.12)
松本潤主演ドラマで「技能実習生が妊娠を理由に解雇される」ってトピックがオンエアされ(2022.2.10)、ちょっとした隔世の感を味わっていました。
同じテレビ朝日系の『相棒season18 #4』(2019.10.30OA)や、放送直後から話題を集めたTBS系『MIU404 #5』(2020.7.24OA)でも取り上げられてきたテーマなので、その意味では珍しくはないのですが(んー日曜劇場『DCU #3』における技能実習生は一種の記号としての利用だからちょっと違う)、前出いずれのエピソードにもあった「そんな酷いことが! 知らなかった!」って驚きは今回むしろ小さく、「よく聞く話だけど自分の身近でも起きてるんだ」ってニュアンスになっていたこと含め、日本社会のコンセンサスになりつつある。と思っていいんですよね。
わざわざTVer回し民になってまでドラマの内容を確認したので細かい話もしておきたいのですが、社宅から退去を迫られるシーンで技能実習生とその「勤務先」が直接話していまして。
つまりそれ、技能実習生がヒドい扱いを受ける、というニュースで百発百中の悪役として登場してしまう監理団体を経由しない「企業単独型」の技能実習。という珍しい例で、解雇手当が出る。ってエピソードにつながり、おお、その設定けっこう微妙じゃね?
あと、そもそも論ですが介護職で在留資格を持っているひとのうち技能実習生は少なく、EPA(経済連携協定)という制度を使ってインドネシア、フィリピン、ベトナムから日本に来ているひとが主流。次は留学生のアルバイト、その次は留学生の御礼奉公としての介護ビザ、みたいな状況の説明が本当はほしい。
それ以上に劇中でベトナム人女性を演じていたソニンの日本語、来日半年そこそこであんなに話せるひとはいませんからね、現実はもっとキツい状況で彼らは自分を殺して働いている……。
云々、文句を付けつつ(=正しいテレビドラマの見方)われわれの社会は既に技能実習生の彼/彼女たちを含めて形成されている。という認識が広まるのは良い。と思ったのでした。
■今週ネットが盛り上がっていたのはたぶんこの記事
ただこの話、1ヵ月前の報道では黙殺というか誰にも気付かれずじまいだったんですよ。
センセーショナルに伝えなければ多くのひとの耳には届かない、って解釈で合ってますか。
ちなみにこの件、法務大臣は「御指摘の被収容者についても、庁内外の複数の医師の診察を適時に受けさせた上、その診察結果に従った医療的対応を行っているとのことです」スタンスなので、今後どうなるのか続報を気にしています。ニュースを読むかぎり、いや大臣あんたも嘘つかれてるよ。って思うわけでね。
■もうひとつ、大手メディアがアオる見出しを付けてアオられるひと続出の事例
ふたつ並べた前者、同じ内容ですけど日経の論調、スピード出しすぎじゃない?
なお入国制限を緩和する予告が出たようですが、さて。
■今週その他の記事
先週見逃してた記事もひとつ追加。
■個人的にずっと気にしている
事象そのものが言語道断なのとあわせて、報道が! 少ない! とずっと文句を言ってるんです。
それこそ松潤とか上戸彩クラスに橋渡しを頼まないと伝わらないのかも。
いやいや、まさかそんなヒドい社会に自分たちが暮らしているとか思いたくないよ。って絶対なるから。