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生体信号を計測してリフレッシュの方法を考えてみた

みなさんは仕事の休憩時間にどんなことをしてリフレッシュしていますか?
私は禁煙してから休憩中が手持無沙汰で、何をすればリフレッシュできるか色々試しています。
今回はマルチセンサー生理計測システム NeXus10 MARKIIで生理指標を計測し、リフレッシュの方法によって違いがでるのかを比較してみました。(文:生体信号解析 開発職 F)

■NeXus10 MARKIIとは

NeXus10 MARKIIはオランダのメーカーが販売している生体信号の計測システムです。
脳波・筋電・脈波・呼吸など様々なセンサーを接続することができ、1台で同時に複数の生体信号を計測することができます。
海外では計測した信号をリアルタイムに提示し、バイオフィードバックに用いられることもあります。


今回は数あるセンサーの中から

  • 脳波センサー

  • 脈波センサー

  • 皮膚温センサー

を用いて計測してみました。

■計測方法

仕事合間のリフレッシュ方法を検討したいので、
負荷をかけるタスク(二桁の足し算問題を解く)の後にどんな過ごし方をするかで生理指標に変化があるのか比較してみました。

具体的には①~③の3つのセクションを1セットとし、③のリフレッシュ時間の過ごし方を変えて計測を行いました。

①:安静[開眼](5分)
②:計算問題[開眼](5分)
③:リフレッシュ[開眼](10分)

リフレッシュ方法としては仕事の合間でも実践しやすい

・ボーっとする
・クラシックを聴く
・コーヒーを飲む

の3つを試してみました
さて、どのような結果になるでしょうか!

■データの確認

それではデータを見ていきたいと思います。
NeXus10 MarkIIで計測したデータを収録用ソフトからエクスポートして、弊社製品のBIMUTAS-Videoで読み込みます。

傾向を見やすくするため、BIMUTAS-Videoで表示方法を変更します。
・脳波データ:「帯域別の含有率グラフ」に変更(EEGオプション)
・脈波データ:「心拍数グラフ」に変更(ECGオプション)

計算問題を解いている区間を見ると、脳波の波形に違いが出ていそうなので、もう少し脳波に着目して解析してみたいと思います。

一般的に脳波は周波数帯に着目して解析されることが多く、シチュエーションに応じて出現する帯域に差が出ると言われています。
代表的な脳波の帯域には下記のようなものがあります。

  • シータ波(4Hz~8Hz未満):睡眠時に出現するほか、集中時にも出現すると言われている

  • アルファ波(8Hz~13Hz未満):安静閉眼時やリラックス状態で出現すると言われている

  • ベータ波(13Hz~30Hz未満):覚醒時に出現すると言われている

1.計算問題中の脳波の変化

BIMUTAS-Videoの棒グラフオプションを利用し、脳波の各周波数帯の含有率をプロットしてみます。
1解析区間を1分間とし、データの先頭から解析を行った結果を折れ線グラフで表示しています。
計算問題を解いている最中には、覚醒状態のベータ波が増加すると思っていたのですが、シータ波の含有率が増えています。

シータ波・アルファ波・ベータ波をプロットしたグラフ

残りの2つの試行でも同じ傾向なのでしょうか?
見やすいようにシータ波だけをプロットして、3試行のデータを重ねて表示しています。
どの試行でも計算問題を解いている最中にはシータ波の含有率が上昇する傾向にあるようです。

シータ波をプロットしたグラフ

2.リラックス中の脳波の変化

さて、今回の本題であるリラックス時の傾向はどうでしょうか。
リラックス状態で出現すると言われているアルファ波に着目して同じように比較してみましょう。
計算問題の最中までは試行毎に大きな変化は見られませんが、リラックス状態の区間で「クラシック音楽を聴いた」赤色のグラフが上昇しているように見えます。
これは、リラックス音楽として検索上位に出てくる「G線上のアリア」を聞いたおかげでしょうか!?

アルファ波をプロットしたグラフ

3.皮膚温と心拍数の変化

さて、同時に計測した他の生理指標については変化しているでしょうか。
皮膚温と脈波センサーから計算した心拍数の変化を見てみたいと思います。
グラフには1分ごとの平均値をプロットしています。

心拍数と皮膚温の変化

皮膚温と心拍数ですが、そもそも計算問題を解いている区間とその前後で大きな変化が生じていないようです。
ストレスがかかり、心拍数の増加や皮膚温の低下が見られるのではないかと考えていましたが、こちらも想定とは異なる結果になりました。
タスクとして単純な計算問題を解くだけでは負荷が少なかったのかもしれません。
もっと緊張や興奮といった方向性のタスクであれば反応があったのでしょうか?

■まとめ

リラックス効果の比較という視点ではあまり大きな差が出ませんでしたが、
集中時にシータ波が優位になるというのは面白い結果でした。

今回はBIMUTAS-Videoの機能を利用して、比較的簡単に各種データの大まかなトレンドを掴むことができました。
別の被験者でも同じ傾向がみられるのか気になりますし、負荷を与えるタスクの内容を変えた時に生理指標の変化に違いが出るかなども比べてみたいですね。

私はリラックス効果を信じて、気分転換をしたいときにはクラシックを聴いてみようと思います!

■今回使用した製品

※ 製品・ブログ等に関するお問い合わせは、上記リンクページ下部の「お問い合わせ」よりご連絡ください。


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