洗濯物を見守りながら束の間のひとりを楽しむおうちカフェ提案
降るか降らないか。降らなそうではあるけれど、希望的観測である可能性も否めない。大きいものも洗ったし、洗い直すとなると気が重い。でも、外に干したい。梅雨や突然の雨の季節を通り過ぎ、部屋干しの鬱陶しさを自分ごととして体感してきたからこその感覚。
せめてタオルが乾くくらいまでは……、と願いながら、外に干した。コーヒーを淹れて、窓辺で本を読もう。
優しくて甘い包容力を求めて、ブラジルショコラの深煎りを。じっくり落としてたっぷりのミルクで割る。厚手のころんとした大きなマグカップで。あたたかさを手のひらで存分に受け止めて。
時間を旅する物語に、あの頃のわたしは……なんて思いを重ねながら、ココア味のビスケットも一緒に。てんさい糖のやさしい甘さがじんわりしみる。
日常で、自分だけの時間を探すのは簡単ではないけれど、だからこそ、たまに訪れるひとりの時間が愛おしい。あたたかいカフェオレと、揺れる洗濯物。ふんわりと優しい空気を胸に満たして、人と在る自分を抱きしめる力に。
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