眠れずに迎えた朝の香り豊かな喫茶提案
満月の夜。なんとなく眠れなくて、そのまま起きていてしまった。会社の始業まではまだ余裕がありすぎるし、かといって眠れるわけでもなく。
じゃあいっそ! と思い立って、ひと駅となりのカフェへ。朝の時間はいつも空いているけれど、飛石連休の平日は、いつにも増して空いている。外を歩く人には心なしか気忙しさが見えて、連休明けも感じる。
ぼんやりした頭をシャキッとさせたいでもなく、穏やかに時間を過ごしたい気分。上質なスチームミルクとエスプレッソで、フラットホワイトを。空気を抱き込むように温めたミルクは、ふっくらとした甘みがある。しっかり感じるエスプレッソの苦味が、図らずも眠気を覚ましてくれた。
朝ごはんに、キッシュを。小ぶりの丸いタルトの中に、あっさりめのアパレイユ。今日はチキンとオニオン。玉ねぎの甘さとチキンの柔らかさに、粒マスタードの香り。豊かな朝食。
念のために持ってきたPCをWi-Fiに繋いで、つらつらと書き始める。自宅で集中するのが苦手なことを痛感するほど、するすると筆が進むのが楽しい。適度な雑音と、人の気配。自分の遊びが整わない環境でする作業は、驚くほど進む。
自分にあった環境を見つけるのはなかなかに骨が折れるけど、しっくりくるところがあればそこを使うのは無駄なことではない。適切な対応をすれば、自分の好きを選んでいい。
筆が進みすぎて面白くなってきたところだけれど、始業時間が近づいてきた。そろそろ立ち上がって、日常に戻ろう。ランチのメニューも決めたけれど、今日はお昼寝が優先かもしれない。