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生物多様性と「自然樹形」

ふだんは使うことのない
「自然樹形」という用語。
なぜか、ふと思い浮かび、
以下の記事を書きました。

ちょっとしたクイズ、「自然樹形」の木は、どんな形?|樹木も人も笑顔に、樹木医mimi ( 三戸 久美子 )

次に、思い浮かんだのは、
「生物多様性」。
で、きたな、と思いました。

この2つは、それほど関係ないようで
実は、とても関係が深い、と思うから。

そして、短文ではとても扱いきれない
大きなテーマ、課題、とも思います。

ですが、大切なことを考えてみる
そのきっかけ作りくらいはできるかも?
なので、チャレンジしてみましょう。

ふだん、環境問題のことは
意識して生活している、
そして、SDGsということばも
たくさん耳にするけど、
では、具体的にどうすれば?
と感じる、という声を耳にします。

確かに。

では。
身の回りの木を眺めてみて、
これがきっと「自然樹形」
と思えた木に会えたでしょうか。

樹木というのは、
人間が人為的なことをして
無理矢理に同じような形に
しようとしない限り、
とっても個性豊かな存在です。

環境と一体化して生きているから。

で、その環境は、
同じように見える並木でも、結構違うもの。

そして、環境は刻々と変化もしています。

人工林の中で
木を調べる仕事をさせてもらって
おもしろいな、と思ったこと。

同じ品種のスギやヒノキ、
たぶん同じ苗畑で育てたものを
ある場所にかためて植えたはず。

なのに、地形や土壌条件、日当たり
のちょっとした違いで、
ビックリするくらい、
成長に優劣がついてしまっているのを
目にします。

人工林はクローンだから、
競争にならず、
どの木も同じように
ひょろひょろに育つ。

だから、台風や冠雪(木の枝葉に雪が積もる)
によって、共倒れになる、
と言われてきました。

ですが、実際の森の中を歩くと、
台風も冠雪も
被害を受ける木と
平気な木とが、
となり同志に並んで立っているのを
よく目にします。

遺伝子が(まったく・ほぼ)同じで、
環境だって、お隣だと、
そんなに違わないはずなのに?

ここが、自然界の不思議というのか、
よくできたところなのだと思います。

そのときの、だれかの好みや思惑によって
思い通りにしようと
強い外力をかけ続けない限り、
もともとが多様な生きものという存在は
それぞれが、その時、その場で
自分に必要なことをしながら
できるだけ長く、生き延びようとしています。

特に、樹木の生き方を見ていると、
ムリもムダもないように見えます。

だから、人間の意に反して、
まったく同じにはならないのだ、
と人工林に教えてもらった気がします。

同じにはならないものを
なんとか同じにしようと
格闘するのか、
それとも、その違いを受け入れて
うまくやっていこうとするのか?

「生物多様性」ということばは
もしかして、
自然を野生生物を守りましょう、の前に、
自分たち人間のありかた、
生き延び方を考えさせてくれることば
なのかもしれない、と思えてきます。



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