風越山の御嶽ビュー
木曽は上松町、かの有名な寝覚の床から少し南にいったところに、滑川という木曽川の支流が流れています。これを遡ると、吉野という集落に辿り着きます。ここは室町時代の荘園の検地の史料にも登場する、大変歴史の深い集落です。
そんな吉野の集落の裏には、風越山という丸い里山が聳えています。風越山は南木曽岳(南木曽町)・糸瀬山(大桑村)とともに、木曽三山の一つに数えられる名山です。
吉野の集落から見上げた風越山の美しさは江戸時代から知られており、「風越の青嵐」として、木曽八景の一つに数えられていました。吉野の集会所の前には、そのことを示す石碑もあります。
さて、そんな吉野の集落を抜けると、「木曽古道」と伝わる道筋に出ます。この道は木曽川沿いの中山道よりも古い、奈良時代ごろに開かれた道であるという説があります。
木曽古道をまっすぐ歩くと東野という集落に出るのですが、その途中に風越山の登山口があるので、そこから山を登っていきましょう。
秋は一面紅葉につつまれ、美しい森の姿を楽しみながら歩くことができます。
そして、ところどころに展望スポットがあり、寝覚から上松にかけての町並みと、その奥に聳える台ヶ峰、そして御嶽山を真正面に望むことができます。
頂上付近にくると森が途切れて一気に視界が開け、先ほどの展望所から見えた上松方面に加えて、遠く須原の方まで見渡すことができます。このあたりはカヤトと呼ばれ、昔から麓の集落の人々が草を取りに来る場所だったようです。
そこから更に奥へ進むと、再び森の中に入って視界は悪くなりますが、山頂に辿り着きます。標高は1699mで、登山口からの所要時間はおおよそ2時間半です。
山頂を越えるとその奥に木曽駒ヶ岳が見えます。このあたりから木曽山脈に入る登山ルートもあるようなので、いつか踏査してみたいところです。
登りはAコースという登山道を通ったのですが、下りはBコースという別の道を通りました。BコースはAのような展望所は無く、景色は悪いものの、より直線的で、短い時間で麓まで出ることができました。
初心者でもそこまで大変ではない登りやすい山です。皆さまも是非天気のいい折にお出かけください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?