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5年『通学路』【規則の尊重】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『5年「通学路」【規則の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

きまり、ルール、規則。
身の回りにはたくさんあります。

例えば、
○ゴミは回収日に出す。
○車は車道を走る。
○人の傷つくことを言わない。
など。

これらのきまりは、なぜできたのでしょうか。
必要だったから、でしょうが、
必要でなかったら、
できなかったのでしょうか。

きまりは、なぜあるのか。
きまりがあることで、困ることはないのか。
きまりを作る前に、できることはないのか。

そんなことについて考えていきましょう。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「規則の尊重」
5・6年の目標・・・・
法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守り、自他の権利を大切にし、義務を果たすこと。

5年生「通学路」(日本文教出版)

あらすじ
委員会の仕事で下校が遅くなった「わたし」。
ピアノのおけいこがあったことを思い出して、
みち子さんに「走って帰るね。」と伝えて、先に走った。
途中、駐車場を通る近道があることを思い出した。
通ってはいけないきまりがあることは知っているが、「みんなのために委員会活動をして遅くなったから大丈夫だろう。」という言い訳に負けて、駐車場を走った。

そのとき、左から車が来たように見えて、止まろうとして思い切り転んでしまった。
ランドセルの中身も飛び出し、足もけがした。
近くの人や運転手さん、みち子さんや4年生の忠くんも走ってきてくれた。

わたしは、転んだことよりも通学路を守らなかったことがが見つかったことの方が、心が痛んだ。
「車にぶつからなくて本当によかった。いっしょに帰ろう。」
みち子さんの声がやさしく響く通学路だった。

2 内容項目と教材

行為を正す議論は意味がない

こういった「失敗」を扱った教材は、ともすると「正しい行為」を追い求めてしまいます。

・「わたし」は駐車場を通らず、どうすればよかったのだろうか。
・「わたし」は、駐車場を通るならどんなことに気をつければよかったのか。
・駐車場を通らないようにするために、学校でどんなことができただろうか。
こういった行為を考える発問をすることです。
これは、全く意味がありません。


なぜなら、子どもたちは「きまりを守ること」は絶対に正しい事実として知っているからです。
でも、知っていることとできることはちがいます。


きまりを知っていて、それが完璧にできているなら、学校から「生徒指導」という言葉はなくなっているでしょう。
・「ダメなことは知っているけど」つい廊下を走ってしまう。
・「ダメなことは知っているけど」ついカッとなって友達に悪口を言ってしまった。
・「ダメなことは知っているけど」算数の宿題で計算機を使ってしまった。
こういったことって、誰しも経験があることではないですか?
ないとは言わせませんよ!


子どもは、大人以上にこういった「つい」が多くなってしまうものでしょう。
それは、責めることではなく、そういうものなのです。


だから、「正しい行為」を道徳で議論しても「知ってる」という結論になるだけで、建前の議論になってしまいます。
それでは、45分の道徳の効果が最大限発揮はされませんよね。


「わたし」の心の揺れを考える
ではどうすればいいか。
「わたし」の心の揺れを考えましょう。
「わたし」の心の中は、2つの考えで揺れています。


A 駐車場を通ってもいい
・みんなのための委員会で遅くなったのだから、ちょっとぐらいならいい。
・1度ぐらいなら大丈夫。
・早く通ってしまえばばれないから大丈夫。


B 駐車場を通ってはいけない
・通ってはいけないきまりがある。
・委員会、ピアノのおけいこという理由はあるけど、いけないことはいけない。


結局、Aの心が勝って駐車場を通るわけですが、
この2つの心の揺れを考えてみたいですね。

周囲の人の心を考える

また、周りの人の心を考えてみましょう。

A 「わたし」が駐車場を通った時
・車とぶつかって事故にあうかもしれない。
→実際、ぶつかってはないが転んだ。
→友達、運転手、近くの通行人に心配をかけた。

B 駐車場を通らなかった時
・誰にも心配をかけない。

つまり、「わたし」がきまりを守っていれば、
・「わたし」はケガをしないし安全・安心
・周りの人は余計な心配をせずに安心
ということがわかります。

このことから、
『きまりを守ると、みんなが安心・安全に生活できる』
という結論が出ますね。

このポイントに触れられたら、この授業はバッチリです!

3 導入

T:教師 C:子ども

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