
1年『にんじんばたけで』【善悪の判断】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『1年「にんじんばたけで」【善悪の判断】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
今日のキーワードは、「外圧的ではなく内発的」です。
いい行動、悪い行動の判断はどこにあるのでしょうか。
外からのプレッシャーでしょうか。
自分の心の中にある善意でしょうか。
でも、それは相手にとっては「小さな親切、大きなお世話」かもしれません。
善悪の判断の基準について、考えていきましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
A 主として自分自身に関すること
「善悪の判断、自立、自由と責任」
1・2年の目標・・・・よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行うこと。
1年生「にんじんばたけで」(日本文教出版)
あらすじ
うさぎのうさちゃん、ぴょんちゃん、しろちゃんが遊んでいると、にんじんばたけを見つけました。
そこには「はたけにはいるな」と書かれた看板が立っていました。
ふと足元を見ると、にんじんの食べかすが落ちています。
だれかが食べたようです。
「みんなも食べているのだから、僕たちも食べていいよね。」
しろちゃんが言いました。
ぴょんちゃんは「そうかなあ。」と言いました。
するとしろちゃんは、うさちゃんと顔を見合わせて
「食べちゃいけないんだよね。」と言いました。
3ひきのうさぎは、元気に野原を走っていきました。
2 内容項目と教材
葛藤を考えやすいシンプルな教材です。
学校など身近なことが舞台ではなく、うさぎが野原で遊んでいる場面が舞台です。
このような一見身近でないファンタジーの教材は、子どもが本音を語りやすいです。
・このうさぎは○○な気持ちだったと思う。
・3ひきとも○○という気持ちはあったと思う。
こうやって登場人物について意見を言うことは、結局は自分の経験をもとに自分の意見を言っていることなのです。
だって、人間はうさぎじゃないし、うさぎの本当の気持ちなんてわからないですよね。
だから、擬人化されたうさぎに、自分の感情を照らし合わせて、「多分こうじゃないか」という前提で意見を言うんです。
また、自分自身のことを語るのは恥ずかしいですが、うさぎっていう登場人物のフィルターを通すことで、自分の恥ずかしさは薄れますから、より自分の意見を言いやすくなるのです。
授業者は、このことを意識すると、子どもの意見をさらに深く理解できるようになりますよ!
本教材の内容項目は、「善悪の判断、自律、自由と責任」ですが、他にも「規則の尊重」「友情、信頼」も入っています。
看板に書かれている約束を「守るのか、守らないのか」という『規則の尊重』
友達でも正しいことをきちんと言えるかどうかの葛藤がある『友情、信頼』
シンプルな教材ですが、多面的・多角的に見るにはとてもいい教材なのです。
『規則の尊重』や『友情、信頼』の観点から意見が出てきたら、受け止めて深掘りをしましょう。
ただし、主たる内容項目は『善悪の判断、自律、自由と責任』ですので、そこはずらさないようにしましょう。
『善悪の判断、自律、自由と責任』は次の3つに分けられます。
①善悪の判断
②自律
③自由と責任
この中から、今回の教材はどれに重点が置かれているかを考えて授業をする必要があります。
「にんじんばたけで」は、①善悪の判断が当てはまります。
看板を見て、にんじんを食べるか食べないかという判断が大きな分かれ道になっているからです。
②③については、重点項目となっているので、他の教材で扱えばOKです。
なぜ、しろちゃんは「食べてもいい」から「食べちゃだめ」に変わったのでしょうか。
うさちゃん・ぴょんちゃんは、にんじんを食べたくはなかったのでしょうか。
それぞれが1ひきでにんじんばたけに来ていたら、食べていたでしょうか、食べていなかったでしょうか。
考えてみたいですね。
「善悪の判断」の大切なポイントは、『外圧的ではなく内発的』です。
「怒られるから食べない」「みんなが食べているから食べていい」は、外からの条件によって自分の感情を決めています。
そうではなく、「自分は○○だと思うからこうする。」と、そうせずにはいられない気持ちからくる行動が、『内発的な行動』なのです。
うさちゃんが「怒られるよ」ではなく、「一生けんめい育てているんだよね。」と言ったことがポイントですね。
「善悪の判断」の基準は、外ではなく自分の心の中にあるのです。
その内なる基準はなんなのか、子どもと言葉にできるといい授業になりますよ!
3 導入
T:教師 C:子ども
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