中学2年「私の町」【我が国の伝統と文化の尊重、国を愛する態度】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は
中学2年「私の町」【我が国の伝統と文化の尊重、国を愛する態度】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
この内容項目は、なんとなくイメージがつきやすいですね。
以前の愛国心や郷土愛といった項目です。
国を愛する心、地域を愛する心、
先人がつくってきた伝統や文化を重んじる。
こう聞くと、簡単なようですが、
実際の授業では「自分事」として
どのように捉えさせるかが
大きな壁となります。
「遠くの地域の遠くの人は、
そんな思いをしているんだな。」と
浅い学びになってしまいがちなところが、
この「伝統と文化~」の内容項目の
大きな注意点です。
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「我が国の伝統と文化の尊重、国を愛する態度」
目標・・・・・優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献するとともに、日本人としての自覚をもって国を愛し、国家及び社会の形成者として、その発展に努めること。
「私の町」(光村図書)
私が住んでいる町、村上は、武家町と町人町が残っている全国でも珍しい町だと言われている。
村上には、約390年前から続いている「村上大祭」がある。
私は、このお祭りが大好きです。
このお祭りのほかにも、村上が全国に知られることになった行事に「町屋の人形さま巡り」があります。
商店街の若い後継者が町屋を保存するために、「町おこし」として企画したもの。
昔からそれぞれの家に伝わるひな人形を自分たちの住む家に飾って、観光客に見てもらいます。
2000年に始まり、テレビで全国放送されると、全国から観光客が訪れた。
私は、古くて不便な町屋にすんでいるのが恥ずかしかった。
しかし、「人形さま巡り」をしている環境客から
「町屋は温かい雰囲気で心が落ち着き、町屋に住めるなんて羨ましい」
と声をかけられ、頭を下げて家の中に入った。
家の中の黒光した大きな梁と柱がいつもと違って見えた。
2 内容項目と教材
「伝統と文化の尊重」は簡単に見えて、苦手とする人は多いです。
社会の学習との境目はどこなのか。
遠く離れた場所、人のことなので、どうやって自分ごとにすればよいのか。
どこに主眼を置いて授業を展開していいのか。
これらが明確でないからです。
では、具体的に授業展開について考えてみましょう。
この教材は「村上大祭」が題材になっています。
では聞きます。
村上大祭に関わっている人は誰ですか?
次の人たちが考えられます。
乗り子
曳き子
乗り子、曳き子の人手を探す人
お願いを聞いた先生
村上市の人たち
これらの人たちが出てきます。
しかし、本当にこれだけでしょうか?
教材に書かれていない、「村上大祭に関わっている人」はいないでしょうか?
村上大祭を始めたた人
村上大祭を受け継いできた人
取材をする人
この教材を読んでいる中学生
「村上大祭」を知っている人
ここに書いた人たちに共通することは、「村上大祭のことを考えている」ということです。
村上大祭について思いを馳せることは誰にでもできます。
遠く離れた場所にいても、時代がちがっても、こうやって村上大祭について考えることができます。
それが、「国や郷土を愛する心」なのです。
『郷土』というと、なんとなく地元を想像してしまいますが、自分のいる都道府県やブロック、広い意味では西日本や東日本、そして日本という国も郷土です。
つまり、村上大祭に対する思いは「私」さんも中学生も、同じ方向を向いていると言えます。
では、ここからもっと深く考えます。
村上大祭に関わった人と、現在村上市に住んでいる人たちの、『村上大祭に対する思い』で同じものはあるでしょうか。
また、ちがうものはあるでしょうか。
「私」と中学生ではどうでしょうか。
子どもたちと考えたいところですね。
村上大祭を大切にしたいという思いは同じですが、それを行動に移す人と見守るだけの人とでは何か心にちがいがありそうです。
答えはあえて書きません。
子どもと一緒に考えてほしいと思います。
ヒントとして次の言葉を紹介します。
今話題のNiziUのプロデューサー、J.Y.PARKさんは、オーディションやプロデュースをする上で大切にしていることがあるそうです。
「その人に対して、関心と愛をもつ」
シンプルですが、本質的ですね。
また、最近テレビでよく流れている「アイフル」のCMでは、大地真央さんがこんなセリフを言っています。
「そこに愛はあるんか。」
今回の教材と全く関係ないように聞こえますが、実は大きく関わっています。
このことに気づくと、「友情、信頼」も「親切、思いやり」も「家族愛」も、本質的には同じことだと気づけるでしょう。
それが、文部科学省が大切な活動だと言っている『内容項目同士のつながりを考える』ことにもつながるのです。
さらに、この村上大祭の話から、自分たちのことにつなげるには、目線を下げる必要があります。
「地元には村上大祭のような立派なものはない。」と考えると、もう考えは止まってしまいます。
そんな立派なものでなくても構いません。
地域に伝わる、現在も続いているものならなんでもいいから考えて見る必要があります。
地域の祭り、子ども会、○○祭り、行事、学校の伝統などもそうです。
それらは、先人たちが毎年一生懸命取り組んできたから、現在も続いているのです。
では、なぜ先人たちは一生懸命取り組んでいたのでしょうか。
その思いを考えるためのヒントが、和田さんたちから得られそうですよね。
3 導入
T:教師 C:子ども
ここから先は
¥ 1,000
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?