6年『ほんとうのことだけど・・・』【自由と責任】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『6年「ほんとうのことだけど・・・」【自由と責任】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
今回の内容項目は、
Aの視点「善悪の判断、自律、自由と責任」です。
な、長い・・・。
そして難しそう・・・。
大丈夫です。
この項目は、3つに分けると
理解が早いです。
①善悪の判断
②自律
③自由と責任
この3つのうち、
どれかに必ず重点が置かれます。
今回の教材の重点はなにか、
それが決まれば、
8割は授業計画ができたも同然です!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
A 主として自分自身に関すること
「善悪の判断、自律、自由と責任」
5・6年の目標・・・・自由を大切にし、自律的に判断し、責任のある行動をすること。
6年生「ほんとうのことだけど・・・」(日本文教出版)
あらすじ
みえ子の学校では、行事の様子をかべ新聞にして全校に知らせる。
みえ子のクラスは運動会の記事の担当になった。
なつみが書いた記事は、
・冷静な佐々木くんが派手に転んでいる写真と文章
・いつもおしゃれでかわいらしい宮本さんの必死な表情と文章
だった。
みえ子はそれを見て、思わず吹き出してしまったが、
同時に、佐々木くんが落ち込んでいたこと、宮本さんが悔し涙を流していたことを思い出した。
「こんな漢字で書いていいのかな。」とみえ子に言うと、
「自由に考えていいんでしょ。それに本当のことだし。」となつみ。
先生が去年の記事を参考に見せてくれた。
ーふだんはおとなしいと言われることが多いわが6年1組ですが、運動会では男女関係なく大きな声で応援しました。アンカーが転んで優勝を逃しましたが、だれもが精一杯がんばったと思います。ー
これを読んだ後、みえ子はなつみに言った。
「やっぱり、どんな記事にするかもう一度考えてみようよ。」
2 内容項目と教材
「自由と責任」に重きを置く
この教材は、内容項目にある
①善悪の判断
②自律
③自由と責任
のうち、③自由と責任に重きを置いて考えましょう。
主題に「自由と責任」とあるので、わかりやすいですね。
内容項目によっては、このように重きを置いて考えることで、
授業の組み立てがしやすくなり、ブレなくなります。
・「希望と勇気、努力と強い意志」
・「正直、誠実」
・「公正、公平、社会正義」
これらの内容項目は、何に重きを置くかを考えて授業を組み立てるかを、
まずは考えましょう!
人のことを考えない自由は、「自分勝手」
なつみは、「自由だから」ということを理由に、思いつくまま文章を書きました。
確かに、「自由」なのだからなつみの言うことも一理あります。
しかし、なんだかなつみの書いた記事は違和感があります。
みえ子が思うように、「この記事は本当に書いていいことなのか。」と。
自由は自由でも、相手のことを考えない自由は「自分勝手」と言います。
・「自由帳」というノートだから、人の自由帳に「バカ」と書く。
・何をしても自由なのだから、夜中に外で大声を出す。
・自由なのだから、列に横入りをする。
どうでしょうか。
これらは全て、「自由だから」を理由に行動していますが、
どれもダメなことですよね。
なぜか。それは、自由に行動はしているけど、
ルールを破ったり、人に迷惑をかけたりしているからです。
上の例では、自由に行動していますが、
「自分のこと」しか考えていません。
・自分がよければいい。
・自分が楽しければいい。
こういった思いが感じられます。
相手の迷惑なんてどうでもいい、と思っていそうですね。
本当の自由とは?
では、「本当の自由」とは、なんでしょうか。
シンプルに、「人・未来のことを考えた行動」が自由です。
もっというと、先を予想して、何が起きても自分で責任をとれること。
これが本当の自由なのです。
なつみは自分の書いた文章で、読む人が楽しんでくれるでしょうが、
当事者の佐々木くんと宮本さんはどう思うか、ということまでは考えていません。
対して、「いいのかな。」と立ち止まったみえ子は、
「佐々木くんと宮本さんは、この記事を読んだらどう思うだろう。」と
2人の顔が浮かんで、「これでいいのかな。」と立ち止まって考えたのです。
そこに、先生が持ってきれくれた去年の6年生の記事。
こういう記事ばかりでいい、というわけではありませんが、
次のような点がハッとさせられます。
・転んだ事実もプラスに捉えて書かれている。
・「おとなしい」というマイナス表現も、「運動会で頑張った」とプラスに捉えている。
・個人ではなく全体のことが書かれている。
・誰も傷つけていない。
・純粋な思いが書かれている。
・読む人のことを考えて書かれている。
これらのことを、みえ子は読んで気づいたから、
「もう一度考えよう」と言ったのですね。
本当の自由とは、相手や未来のことを考えること。
このことをポイントとして押さえる授業をしましょう!
3 導入
T:教師 C:子ども
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