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5年『うばわれた自由』【自由と責任】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『5年「うばわれた自由」【自由と責任】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

今回の内容項目は、
Aの視点「善悪の判断、自律、自由と責任」です。

な、長い・・・。
そして難しそう・・・。

大丈夫です。
この項目は、3つに分けると
理解が早いです。
①善悪の判断
②自律
③自由と責任

この3つのうち、
どれかに必ず重点が置かれます。

今回の教材の重点はなにか、
それが決まれば、
8割は授業計画ができたも同然です!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「善悪の判断、自律、自由と責任」
5・6年の目標・・・・自由を大切にし、自律的に判断し、責任のある行動をすること。

5年生「うばわれた自由」(日本文教出版)

あらすじ

わがままなジェラール王子は、森で動物をとってはならないきまりを破った。
ガリューは「王子の言っている自由は、自分だけに都合のよいようにすることで、本当の自由とは申しません。それはわがままというものです。」
このように注意したガリューを、王子は捕らえた。

王子はそのうちに王になり、わがままがひどくなった。

そのわがままは国民にも広がり、王の座を奪うものまで出てきた。

王は裏切られ、牢屋に入れられた。
そこで会ったのが、森の番のガリューだった。

ガリューが牢屋から出られることになった時、
「そこから出る日がきたら、一緒に本当の自由を大切にして生きてまいりましょう。」と言って去っていった。

2 内容項目と教材

「うばわれた自由」は、定番教材ですね。
研究授業などで扱った人も多いでしょう。

善悪の判断、自律、自由と責任」は、次の3つに分けて考えます。

①善悪の判断
②自律
③自由と責任

それぞれ、似ていますが解釈が異なるので、今回授業をする教材が、①~③のどれに当たるかを考える必要があります。

「うばわれた自由」は、③自由と責任になります。また、②自律もその次に大切になるポイントです。

この教材を考える上で大切なポイントは、何を大切にしているか、です。

ジェラール王子は、自分の立場をわきまえず、わがままな振る舞いをします。

つまり、自分勝手ということです。
きまりがあることを知らないならまだしも、知っていて自分勝手に振る舞っています。

その理由は、どんなことが考えられるでしょうか。

・楽しいから。
・みんなができないことをできるから。
・きまりを破っている感覚が面白いから。

また、王子の立場から考えると、
・だれも注意できないから。
・だれもマネできないから。

といった理由が考えられます。

いずれも、許されることではありません。

では、ジェラール王子は、何を大切にしていたから、自分勝手にしたのでしょうか。

それは、「自分のやりたいこと」です。

自分がやりたいから、森で動物を撃った。
自分がやりたいから、わがままに振る舞った。

だから、「自分勝手」だと言われたのです。

しかし、ここで立ち止まって考えてみましょう。

「自分のやりたいこと」をやることは、本当にダメなのでしょうか。

例えば、次の例はどうでしょうか。

・休み時間にドッジボールをしたいから、みんなでドッジボールをする。
・将来は大工さんになりたいから、放課後に一生懸命工作を練習する。
・算数が得意になりたいから、宿題だけでなく自分で問題集を買って勉強する。

これらはいずれも、「自分のやりたいこと」ですよね。

ジェラール王子が「やりたいからやった」ことと同じでしょうか。

違うとしたら、なぜ違うのでしょうか。

ここの矛盾を考えることが、道徳的価値に迫る話し合いになります。

最初に言ったとおり、何を大切にしているか、です。
ジェラール王子は「自分のやりたいこと」だけを大切にしていました。

しかし、ドッジボールや大工、算数の例は、「自分のやりたいこと」に加えて、「周囲の人」や「未来」を大切にしています。

さらにそこには、きまりを守るという大前提もあります。

自分だけを考えた行動は自分勝手、
自分だけでなく多くのことを考えた行動は、自由と呼べるのです。

また、自分自身でこの先をどうなるか想像し、どんな結果になっても受け止める覚悟がある。
つまり責任を自分でとれるかどうかも、大切です。

責任のない自由は自分勝手。
責任のある自由はOK.

つまり、自由と責任は表裏一体のセットだと言えます。

では、ガリューは、何を大切にしていたのでしょうか?
王子に注意できるほどですから、王子とは大切にしているものはちがいます。
ジェラール王子とのちがいはなんでしょうか?

ぜひ、子どもたちと考えてみてくださいね。

3 導入

T:教師 C:子ども

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