5年『住みよいマンション』【規則の尊重】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『5年「住みよいマンション」【規則の尊重】の授業はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
きまり、ルール、規則。
身の回りにはたくさんあります。
例えば、
○ゴミは回収日に出す。
○車は車道を走る。
○人の傷つくことを言わない。
など。
これらのきまりは、なぜできたのでしょうか。
必要だったから、でしょうが、
必要でなかったら、
できなかったのでしょうか。
きまりは、なぜあるのか。
きまりがあることで、困ることはないのか。
きまりを作る前に、できることはないのか。
そんなことについて考えていきましょう。
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
5年生「住みよいマンション」(日本文教出版)
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「規則の尊重」
5・6年の目標・・・・
法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守り、
自他の権利を大切にし、義務を果たすこと。
「住みよいマンション」あらすじ
マンションは、住民同士のトラブルがあるものです。
しかし、埼玉県のとあるマンションは、
トラブルがなく、住みよいマンションとして
有名でした。
そのマンションの管理組合の岡さんの話です。
「昔はトラブルが次々と起こった。
例えば、『騒音』は人によって考えが違うので、
解決が難しい。夜は音を出さない、とルールを作ったが、
効果はなかった。
裁判を起こすという人も現れた。
そこで、本人同士が話し合う場をもちました。
お互いの話を聞き、部屋の中の配置などを工夫することで、
解決し、両家は仲良くなりました。
ルールだけを作ってもダメなんですね。」と、
岡さんは満足そうに話した。
2 内容項目と教材
・前回の「通学路」では、
『きまりを守ると、みんなが安心・安全に生活できる』
ということを考えました。
・しかし、今回の場合は、ちがいます。
「夜に音を出さない」というきまりを作っても、
トラブルになってしまいます。
・ということは、きまりは意味がないのでしょうか。
もっと厳しいきまりを作った方がよいのでしょうか。
例えば、ピアノの音はだめだけど、掃除機の音はよい、
犬の鳴き声はダメだけど、猫の鳴き声はいい、などと
細かくきまりを設定することは、
解決にはつながらないのでしょうか。
・きまりが守られなければ、
罰則を設けたり、きまりをもっと厳しくしたりと
厳罰に頭が向きますが、
今回の教材はちょっと方向性が違います。
・きまりを設定する前の段階に目を向けて、
本質的な部分を考える必要があります。
・では、このマンションは、住人同士の関係が
なぜうまく行っているのでしょうか。
・「裁判を起こす」とまで言っているのですから、
相当なレベルの怒りです。
ただ、話し合いの場を設けるだけでは、
解決はしないこともあるでしょう。
・ということは、
「きまりについて、話し合う」だけでは、
不十分な気がします。(※1)
・ちょっと教材から離れて、例を出します。
学校では「ろうかを歩く」というきまりが、
どこの学校でもあると思います。
このきまりは、なぜできたのでしょうか。
・もちろん、「ろうかを走る」行動をする子がいて、
それによってぶつかってけがをする子が出た、
もしくは出るかもしれない、
そんな背景があってできたのでしょう。
・では、全員が「ろうかは歩くもの」という考えを、
子ども全員がもっていたら、このきまりは必要でしょうか?
・「もしかして走るかもしれない」と、
念のためにきまりを、それでも作るでしょうか。
・きっと、そんな状況だったら、
「ろうかは歩く」というきまりは不要でしょう。
・「念のため」できまりを作っていたら、
この世はきまりだらけになってしまうからです。
・なぜ、「念のため」できまりを作らないのでしょうか。
先ほどの場合だと、教師が子どもを信じているからです。
・また、「ろうかは歩くもの」と考えている子は、
どんなことを考えているでしょうか。
☆他の人も歩くから、自分も歩こう
☆走ると危ないし、けがをさせて迷惑になってはいけない
☆みんなが歩くことで安心
などでしょう。
これらは全て、他者意識が根底にあります。
・そうです。
きまりには、他者意識が本質にはあります。
相手のことを考えることができれば、
きまりは不要なのです。
・しかし、集団が大きくなると
集団を組織している全員とは
意志を疎通することは難しいので、
きまりが必要になるのです。
・教材(※1)に話を戻します。
このマンションの人たちは、
話し合いの場で相手の話をよく聞き、
それを受け止めて改善しようとしています。
その根底にあるものは、他者意識です。
・できることはないだろうか。
こうしたらどうだろうか、と
少しの自己犠牲と、大きな他者意識をもっているので、
話し合いはうまくいったのです。
・他者意識とは、想像力とも言えます。
これをしたら、相手はどう思うか、感じるかを想像する。
この想像力を多くの人がもてれば、
不要なきまりはたくさんあるのかもしれません。
・この、気持ちを想像する心はどこからきているのか。
内容項目でいうと「親切、思いやり」ですね。
また、「相互理解」も当てはまります。
「規則の尊重」は、このように
他の内容項目とつながっているのです。
・子どもから、このつながりが出なくても構いませんが、
教師は知っておく必要があります。
3 導入
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