3年『うまくなりたいけれど』【希望と勇気】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『3年「うまくなりたいけれど」【希望と勇気】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
「希望と勇気、努力と強い意志」は、4つ単語が並んでいますね。
①希望
②勇気
③努力
④(強い)意志
道徳っぽい言葉が並んでいます。
1つの教材で4つ全てを扱うことは不可能です。
教材には必ず、重点があります。
その重点がどれなのかを最初に考えることで、教材研究がスムーズにいきます。
多くの言葉が並ぶ内容項目は、『重点』を考えるようにしましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
A 主として自分自身に関すること
「希望と勇気、努力と強い意志」
3・4年の目標・・・・自分でやろうと決めた目標に向かって、強い意志をもち、粘り強くやり抜くこと。
3年生「うまくなりたいけれど」(日本文教出版)
あらすじ
ゆきは、書写の時間がいやでした。
えんぴつでさえうまく書けないのに、筆でなんて書ける分けない。
そう思いながら授業を受けていました。
すると先生がやってきて、手を握ってゆっくりと筆を動かしてポイントを教えてくれました。
先生も小さいころは習字が苦手で、先生になってからたくさん練習したそうだ。
「みんなのお手本になる字で書きたい」と思っていたそうだ。
ゆきは、今度はひとりで書いてみた。
お手本のようには書けていないけど、いやな気持ちにはなりませんでした。
2 内容項目と教材
「希望と勇気、努力と強い意志」は、それぞれセットで考えましょう。
①希望と勇気のセット
②努力と(強い)意志のセット
そして、今回の教材が①②のどちらに重きが置かれているかを考えます。
「うまくなりたいけれど」は①に重点が置かれています。
習字が苦手で、いやだと言う思いしかなかったゆき。
上達する自分に「希望」をもてていなかったとも言えます。
それが、先生の助言と話のおかげで、「勇気」が出て、希望がもてるようになりました。
ここで考えたいポイントは、2つです。
1 先生のなにによって、ゆきの心は変わったのか。
2 ゆきは、習字に対してだけいやな気持ちが消えたのだろうか。
この2点をそれぞれ、子どもたちと考えたいですね。
1 先生のなにによって、ゆきの心は変わったのか。
先生も、ゆきと同じように小学校の時は習字が苦手だった。
でも、先生として今はきれいな字を書けている。
先生は、きれいなお手本の字を書くために、たくさん練習をした。
それは、練習をすれば上手になるという実例を示したことにもなります。
ゆきは、やってもやっても上手にならない自分を歯がゆく思っていて、やっても上手になりませんでした。
上手にならないから、やっても面白くない。
まさしく負のループですね。
しかし、先生の言葉で、「練習をたくさんすれば、習字が上手になるんだ」と希望がもてたのです。
今、上手にならなくても練習を続けていれば上手になる。
そう思えたのです。
つまり、先生の「上手になりたい」という思いから、たくさん練習をして上手になった姿から、ゆきの心は変わったのです。
また、先生のゆきを思いやる心も、ゆきを変えた要因でしょう。
厳しく叱責をしたり、「先生も昔は苦手でした。頑張れば上手になるから、とにかくやりなさい。」と突き放すような感じでは、ゆきもここまで心が変わることはなかったでしょう。
体現する姿と、ゆきを思いやる態度から、ゆきの心は変われたと言えます。
2 ゆきは、習字に対してだけいやな気持ちが消えたのだろうか。
先生の思いを受け取って、ゆきの心は変わりました。
では、ゆきは習字に対してだけ、前向きになれたのでしょうか。
ゆきは習字に苦手意識があり、先生のおかげで心が変わりました。
ここから、他のことに応用できる学びはないでしょうか?
・苦手意識のあるものも、頑張れば上手になる。(もしくは苦手意識が消える)
・目の前のことを着実にこなすことが、上達の第一歩。
・いやと思っていることも、目標が見つかると頑張れる。
これらのことが他のことにも応用できる学びと言えます。
習字のことだけでなく、習字を通して学んだことを抽象化して取り出せると、
日常生活で子どもたちが使える学びになりますね。
以上の2つのポイントを押さえて授業をしましょう。
また、ゆきは最初と最後で、「見ているものが変わった」とも言えます。
最初のゆきは、習字に対して苦手意識があって、「早く終わらないかな。」「ほらやっぱり、これもうまくかけない。」と、近い将来しか見ていませんでした。当然、すぐにはうまくならないし、目の前の下手な字で落ち込む、この繰り返しです。
しかし、先生の話を聞いたゆきは、「あきらめずにがんばろう。」「練習を続ければうまくなるぞ。」「この半紙はうまくいかなかったけど、次はこのポイントを気をつけて書こう」と思っているでしょう。
これは、『上達した自分』という遠い将来を見ているからです。
近い将来ではなく、遠い将来を見ることで、目の前の小さな失敗が気にならなくなり、遠くの将来へ走る勇気が出たのです。
この、「見えているもの」という視点で比較するのも、面白いですね!
3 導入
T:教師 C:子ども
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