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6年『団地と子犬』【規則の尊重】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『6年「団地と子犬」【規則の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

きまり、ルール、規則。
身の回りにはたくさんあります。

例えば、
○ゴミは回収日に出す。
○車は車道を走る。
○人の傷つくことを言わない。
など。

これらのきまりは、なぜできたのでしょうか。
必要だったから、でしょうが、
必要でなかったら、
できなかったのでしょうか。

きまりは、なぜあるのか。
きまりがあることで、困ることはないのか。
きまりを作る前に、できることはないのか。

そんなことについて考えていきましょう。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「規則の尊重」
5・6年の目標・・・・
法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守り、自他の権利を大切にし、義務を果たすこと。

6年生「団地と子犬」(日本文教出版)

あらすじ

希ちゃんは、目の見えない子犬を拾ってきて、団地内の公園の遊具のかげでこっそり飼っていた。

自治会長の坂本さんは、団地で飼えるようにしてほしいと頼まれて、困っていた。

役員に相談すると、猛反対。

規則を作り、守るべき立場の我々役員は、犬を飼うことには賛成できない。
でも、子どもたちの気持ちを考えると・・・・。

規則を守り続けることだけがいいことなのか。
今回認めると、他にも続いていくのではないか。
団地の皆さんに相談しようということになりました。

「規則についてこんなに考えたのは初めてでしたね。」

その結果、規則の一部を変えて、「この子犬に限り飼うことを認める」と認められました。
子犬は、ダンと名付けられました。

2 内容項目と教材

教材は、必ずしも正解が書かれているわけではありません。
また、美談として捉えられがちなので、「批判的に読む」姿勢がいつも必要です。

今回の「団地と子犬」は、まさしくその教材です。

この話をきっかけにして、規則について深く考えることができます。

この話の結論である「この子犬に限って飼うことを認める」という最終的な決定は、果たして本当によかったのでしょうか?
この姿勢はいつももっておかなければ、「都合よく規則を変えてもいい」という結論になりかねません。

大切なのは、この結論が正しいか、間違っているかを決定するのではなく、「規則について自分の意見をもつ」ことです。

生活していく上で、規則は切っても切り離せないものです。
身の回りにはたくさんのきまりがあります。

・廊下は歩く。
・人に悪口を言わない。
・時間を守る。

これらのきまりが、特に学校ではたくさんあります。

教材に合わせて、学校にあるいくつかのきまり(生活ルール)を例に出し、「なぜそのきまりがあるのか」を考える活動もいいですね。

6年生ともなると、きまりを守るだけでなく、守っている姿を見せたり、他学年から「何で守らないといけないの?」と聞かれたりする経験もあるでしょう。

きまりについてまるで大人のように考える時間も必要なのです。

そこに正解はありません。
これまでの生活経験が人によってちがうので、きまりに対する理解度も変わってくるからです。
しかし、最初にも言ったとおり、考えをもつことが大切なのです。

例えば、「廊下は歩く」というきまりについて考えます。

過去に廊下を走っていて、人とぶつかってケガをした経験がある子と、
「廊下は走ってはいけない」と担任の先生から何度も話を聞いてきた子と、
そもそも歩く概念がないぐらい、常に走っている子では、
同じ「廊下は歩く」というきまりに対して、思いがちがうのは当然です。

では、みんな理解をしていないかと言われたらそうではありません。
自分の中で理解はしているが、「危険だから安全のために守る」なのか
「わかっているけど守れない」なのかでも、考えが変わってきます。

このように、きまり1つとっても考えがちがいますから、互いの考えを交流することが不可欠なのです。

では、この団地の決定をどう思いますか?
反対派と賛成派に分かれて討論するのも活動のアイディアの1つですね。

また、「こうすればよかった」という行動を考えるのはあまり望ましい活動ではありません。
この決定をするに当たっての役員の人たちや団地の人たちの心を考えたり、
この決定自体に対してどう思うかを考えることを主軸にしましょう。

繰り返しますが、この決定が正しいか、間違っているかを結論づけることが目標ではありません。

きまりは、なぜあるのか。
守るだけが正しいことなのか。
守らなくてよい、変える必要がある、と思うのはどんな時か。

これらのことをそれぞれ具体的に考えていきましょう。

3 導入

T:教師 C:子ども

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