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2025_0219_本読み
<1680字>
冒頭の写真:
前回に続き、狛犬。
八幡山の八幡社の狛犬たち。角は無さそう。ほとんど同じサイズのが柵の内外に2体ずつというのを珍しく感じた。そして、この屋根の反りも日本ぽくない珍しさを感じる。地名が八幡山で、社名がシンプルに八幡社。興味をそそられる。
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2月19日(水)は以下を読みました。
『犬の心』
ブルガーコフ 著 石井信介 訳
未知谷
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ボルメンターリにシャリコフをサーカスへ連れて行ってもらおうとして「猫」が気になり、象のいる動物園も提案。あーだこーだして、結局サーカスに連れ出してもらうことに。一心地ついたフィリップフィリッポビッチだが、最後、なにかを思いついたようだ。VIIがここで終了。
(音読した人:山崎)
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『寺山修司名言集 身捨つるほどの祖国はありや』
PARCO出版
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こどもははじめはみんな詩を書いているが、やがてやめてしまう。やめないままになったのが詩人。そのことばを聞いて、まず山崎は、息子の絵のことを思った。そして自分もほぼ完全に絵を描くことをやめていったいどのくらい経つかなぁ、とも思った。
ことばのナイフの話が怖かった。山崎は攻撃してくることばが非常に苦手。武術に興味はあるが、苦手だ。寺山さんはボクシングにも思い入れがあったのではなかったかな?と思った。
(音読した人:こいでさん)
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『 こいぬのうんち』
クォン ジョンセン (著), チョン スンガク (イラスト), ピョン キジャ (翻訳)
平凡社
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韓国で絵本がすごく盛り上がりを見せている、ということをどこかで聞いた。この本は山崎は誰かに読んでもらって知っていたが、2000年刊行ということで、けっこう前の本。これを機会に、と、韓国絵本を図書館で予約してみた。
(音読した人:はやしさん)
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『ひらがなの世界─文字が生む美意識 』
石川九楊 著
岩波新書
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「明朝体」が出てきたのには驚いた。手書きの、筆者の言う「肉文字」の対極にある、物体感(情感?)を極力取り払ったものとして。ゴチックはデザイン性があるという解釈のようだ。山崎はこのへんの感覚(センス)がバカなところがあって、自分の教室の宣伝パンフレットを、本文をゴシック(ゴチックとは使わない業界)、見出しを明朝で作ってしまったことがある。刷り上がってから「なんかへんだな?」と思ったのは、多分、九楊さんが正しいということだろう。今回の図版はドラえもんのコミックス表紙。葦手自体はいよいよ次回に図版登場のようだ。
(音読した人:きよもとさん)
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『漱石・子規往復書簡集』 和田 茂樹 (編集)
岩波文庫
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漱石の48通目。明治28年11月13日。1895年。
7ページにわたる、俳句の、この日の手紙がやっと終了。
〈 温泉をぬるみ出るに出られぬ寒さ哉 〉
に、音数があわなくて読めないで困っているところに、きよもとさんが「ゆ」では?と提案。確かにそう読むと音数が合う。検索すると、大破調、とされていたりした。
それはさておき、「ぬるむ」。自分の感覚では温度が下がる感じ。温泉であたたまって、という展開とはちょっと合わない。だが春が近づいて徐々にあたたかくなるのも、ぬるむ感はある。で、辞書(新潮国語辞典 現代語・古語)を見る。意味の2に〈病気で体温が高くなる。熱がでる。「御身もーみて[源・若菜下]」〉とあって、ちょっとおどろいた。
また、ぬるみ、の「み」。文法がわかってないから、活用してどういう意味になったのかが掴めない。置い読になってしまっている『俳句がよくわかる文法講座』読みたい。
(音読した人:めいさん)
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『芭蕉七部集』 中村俊定 校注
岩波文庫
『猿蓑』
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連句が楽しい。
ろどうの、下男として登場した人物が、つぎつぎと詠み変えられて、いろんな役を割り振られて、面白い。こどものごっこあそびみたい。過去って読み替えでずいぶんその姿を変える、と思ったりもする。そんな想像ができるのも、この現代訳のおかげ。いつも頼りに、よませていただいてます。
(音読した人:山崎)