『甦るフレーブニコフ』音読記録その8
〈 1599字 〉
『甦るフレーブニコフ』音読記録 は、
2020年末〜2021年初めにzoomで音読した毎回の感想を改めて書き出したものです。
著者の亀山郁夫先生のzoom講義(2022年12月4日(日)10時から12時、ヒッポファミリークラブ主催)がありますので、これを機会に、と思いアップしています。
12月4日までにアップし終わるように、毎日、4日分程度アップしていこうと思います。
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2020年12月3日(木) 第12章 奇跡の年
「空想舞台の演劇」(256〜261ページ)
ザーウミ(まだこれを味わう機会がないですが)、ネオギリズム(あってるかな?新造語)を駆使し言語実験に熱中する前衛詩人は、劇作という形式にも非常な熱中がありました。
1人の人間の、意識、意志、嗅覚、視覚、追憶、恐怖、などなどが、それぞれ登場人物となった芝居とか。
数学の代数?を思いました。
置き換えていくことで、描き出される、それまで見たことのない想像世界。
まだ、だれもやってない実験をやっていくのは楽しいだろうな、と想像はできます。
2020年12月6日(日) 第13章 クオッカラの青春
「マリネッティ来る」(262〜269ページ)
「ブジエトリヤーニン(未来人)」劇場、それに続く、四ヶ月十数都市への未来派ツアー。
この詩人たちの周りには
〈行く先々で熱狂と敵対の渦がまきおこった。〉
ということで、騒然?お祭り的?、とした時代の雰囲気が感じられます。
そんな中に、イタリアの未来派の中心人物マリネッティがモスクワ、ペテルブルクへ招聘されたのですが、
崇め奉る人がいる一方で、フレーブニコフたちは講演潰しにかかり、舞台に乱入してアジビラを撒きます。
もう活劇です。
人が苦手で、誰ともしゃべらず暗い部屋に食べ物も食べずに居っぱなしな一方、このアジビラのことばや講演への乱入、やはり「狂人」と言われるのもわかる感じです。
2020年12月7日(月) 第13章 クオッカラの青春
「日記と回想」(269〜279ページ)
フレーブニコフの〈いくつかの淡い恋愛事件を体験〉の一つがリーフシッツの回想から紹介されていました。
危ない人、です。
これまでも繰り返しでてきている、「時間の法則」の発見に熱中する、詩人。
この「時間の法則」が前に少しは説明されていたのだと思うのですが、よくわかっていないです、山崎は。
「創造の風は未来から吹いてくる」っていうのと関係あることでしょ、感想をしゃべってるときにそんな話をしました。
それはそうだと思うのですが、法則、というくらいですから、何か数式がでてくるのでは、という印象があります。
当初大学で数学科に入学したフレーブニコフですから。
2020年12月9日(水) 第14章 数または縛られた神々
「戦争新説」(280〜294ページ)
「時間の法則」のことが説明されはじめて、
意外にも、単に317年おきに重要な戦争が起きている事実、というような、
その公式はZ=(365±48Y)X 、
あまりに荒唐無稽な、
数の素人から見れば、いやーそんなわけないでしょ、っていうような、
そんなものが法則?っていういような、そのことに驚きました。
しかし、前に(8月はじめから9月はじめまで)読んだ『数の悪魔』に感じた、数の不思議を思うと、数に魅せられたら、そうなるかもしれないと思います。
関係性を見つけずにはいられない、人間という生き物なんですから。
そして、数学者ではありえない認められかたが、詩人としてはあり得たどころか「20世紀最大の詩人」と呼ぶ人もあるくらいな成果を上げたわけですよね。
さて、いったいどうなっていくのでしょう。興味が本当につきないです。それに、今日のところは、長くて、読んでいてすごく楽しかったです。