2022_0316_本読み
<1952字>
16日、3回目のワクチン接種の帰宅途中。白い花のたんぽぽを発見。
初めて見ました。
夜中から寝苦しくなり発熱、8度台後半、体も痛くて、まる1日寝てました。
熱の出始めの夜中に、声を出したくなって、グランジをアップルミュージックで検索して、ニルヴァーナとか布団の中で歌いました。また、謡曲「蘆刈」より「笠の段」などというのも見つけて、それも一緒に声を出しました。
で、 もっと肚から〜〜声が出たい! と感じました。
「体から、声が出る」っていうのが、何か、自分にはとても大事なことは確かで、
それで、
音読も始めたし、二年以上も続いているんだと思います。
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さて、3月16日(水)(熱出る前です)は以下を読みました。
『振仮名の歴史』
今野真二 著
集英社、2006年刊
第二章 平安時代から室町時代までの振仮名
第二節 仮名(平仮名・片仮名)と振仮名
第三節 室町時代の振仮名
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室町時代成立の辞書『節用集』「易林本」の紹介の続き。明治時代まで使われたという、この辞書のスタイルは、漢字の左右に振仮名があるスタイル。
面白かった例としては、
白地
右振仮名はアカラサマ、左振仮名はカリソメ。
しろじ、という読みは無いのですね。カリソメは未だ染められていない、というう意味で白地なのだろうか。
踟蹰
右振仮名はタチモトヲル、左振仮名はチチウ。
意味がわからないので、「たちもとおる」と平仮名で検索すると「立ち徘徊る」という表記がでて、こちらの字ならば解る、さまよい歩くという意味。
万葉集の2821に
木の間より移ろふ月の影を惜しみたちもとほるに
があって、万葉仮名も調べると
木間従 移歴月之 影惜 俳佪尓 左夜深去家里
でした。
表記と読みには、すごい幅があるって様子を、あらためて垣間見ました。
日本語の表記って、その成立のいきさつからも、実に多様な表現が楽しめるんだな、って。
(音読した人:山崎)
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『学問のすゝめ』
福沢諭吉 著、岩波文庫、
四編 学者の職分を論ず
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ここに至るまでの愚痴は、ここで回収されるための、前振りだったのかと思わされるような展開。なにもかも政府にまかせるのではなく、私立の必要性を言い、それを自らの手で、という意志の表明と感じました。慶応義塾を作ったのは、そういう理由だったか、と思わせられました。
(音読した人:めいさん)
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『タンタンタンゴのパパふたり』
ジャスティン・リチャードソン、 ピーター・パーネル 作
ヘンリー・コール 絵
ポット出版
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ペンギンのカップルにもこんな例が!
という、ニューヨークの動物園での驚きの実話。
実際の自然状態でもこういう例はあるのかな、動物園の環境が、それを起こすのかな、あるいは街の雰囲気がなせる技か?
今日、さっき、おしどりには実際にはおしどり夫婦は存在しないが、ペンギンこそおしどり夫婦が実在する種だ、という話を聞きました。
ならば、お話のペンギンの子も元気に育ったに違いないです。
(音読した人:はやしさん)
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「カズイスチカ」
森鴎外 著
『鷗外全集 著作篇 第四巻』岩波書店から
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来院した患者さんがものすごい病気であるかのような容貌。実は顎が外れてるためで、あっという間に顎を嵌め直してあげた、という少しコミカルなドラマ展開でした。
たくさんある、振仮名のある欧文表記は、ラテン語で、確かにグーグルで翻訳をかけると、すんなり日本語訳がでます。
が、
意外に意味がわからないのは、きっとその時期特有の使い方があるんでしょうね。(また、このお話が初出の「三田文学」は、みんなラテン語を解するような読書層だったのか。)
ちなみに題名の、カズイスチカ=casuistica、は「カジュアル」とか「気軽」とか出ます。
まだ読み終わらないのもあって、今ひとつ題名の意図が理解できていません。
(音読した人:きよもとさん)
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『芭蕉連句集』
岩波文庫、松尾芭蕉
二九 おきふしの(繋橋)99〜101ページ
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〈 舎利ひろう 津軽の秋の 汐ひがた 芭蕉
桝かける 三ッの樟の木 清風 〉
今日も「注」に学びました。
舎利は、津軽舎利と呼ばれる、津軽名物の石。この石は子供を産むという伝説があるそうです。白くて砕けやすいのが波打ち際にばらけてる様子を空想しました。
「桝」は山椒の椒の俗字だそうです。
津軽の山椒も有名らしいです。樟も山椒も虫避け、そして三とくっつけて三樟で読みが同じになる、というあたりをしゃれているらしいですが「未詳」と別の本に書かれていました。
(音読した人:山崎)