『甦るフレーブニコフ』音読記録その4

〈 2020字 〉

『甦るフレーブニコフ』音読記録 は、
2020年末〜2021年初めに音読した毎回の感想を改めてまとめたものです。

著者の亀山郁夫先生のzoom講義(2022年12月4日(日)10時から12時、ヒッポファミリークラブ主催)がありますので、これを機会に、と思いアップしています。

12月4日までにアップし終わるように、毎日、4日分程度アップしていこうと思います。

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2020年11月7日(土)  第5章 ペテルブルクの憂欝                                                                 「事物の蜂起」(119〜130ページ)

今「事物の蜂起」と入力したら、百鬼夜行とか、付喪神、ってことが思い浮かんできて、西洋発の機械文明に蹂躙されたロシアのようにガリガリぎりぎりした感じがちょっと消えて、クスッとしました。

前にこのzoomで、アンデルセンを読んでいたとき、童話の中で、初めて「物」がしゃべって行動した作品、というような説明を読んだことも思い出しました。

手作りの江戸の日本に対して、産業革命の西洋、と反射的に、ステレオタイプに自分の思考は反応したのですが、ちょっと後に、しかし、物を巧みに作れるようになって起きたことという観点からすると、同じこと、と思えました。

江戸は、17、18世紀?においては、世界最大の都市であったと聞きますし。

作り出した物に呪われるというのは、人間の宿命というように感じました。随分と違った見かけをしてるけれど、洋の東西を問わず、2、300年の範囲で似たようなことが起こったのじゃないかな、と。

音読みしてる時は、読み難い漢字やカタカナをつっかえながらもバンバン読み倒していく快楽に身を任せてる感じで、これがロシア語だったらさぞかし破壊的楽しさであろうな、と想像を逞しくしていました。


2020年11月8日(日) 第6章 プリミティヴィズムの嵐                                                             「神話創造」(131〜142ページ)

イワーノフの紹介、1900年代初頭のロシアの文学、演劇、音楽などの状況。ストラヴィンスキー、プロコフィーエフとか、少々の興味だったので、ちら聞する程度だった音楽家の名前が次々と。
聴いてみたくなり、早速「春の祭典」をかけながら、書いています。
インターネット時代。。。
これと並行して『日本の三つの叙情詩』という小歌曲も作られているとのことです。山部赤人、源富澄、紀貫之、が取り上げられてる歌人。これもすごく興味ありです。

フレーブニコフの神話創造とは、神話が人類(の誰かに)湧いてきた時のように、話を自分から湧き出させる、ということなのかな、と思いました。

きっとそういう壮大なことができちゃったから「20世紀最大の詩人」(この本の帯に書いてあります)と呼ばれているのだろうなと思いました。

2020年11月9日(月) 第6章 プリミティヴィズムの嵐
                                           「象徴派との決別」(142〜149ページ)

イワーノフのサロン「塔」またの名「水曜会」の様子、そして、そこや、その周辺でのフレーブニコフの様子が、描写されていました。

本読み参加の方が、サヴァンだね、と言ってました。
私は後で調べて、サヴァンという言葉を初めて知りました(ギフテッドっていうのを近いのかな、と思いました)。

なんていうか、人間って特有にそういうタイプがいる生き物なのか、と思いました。 ゾウやイルカにもそういうタイプの個体っているのかな。居ないような気がするけど、まあ、別種だから、わかりませんね。

アインシュタインもフレーブニコフも、預言者(どこかから、ことばを、受け取る人)という類の人なのかもな、と、思いました。
それと「笑いの呪文」という詩。

〈この1作によって異端のアヴァンギャルド詩人、ナンセンス詩人とし文学的声価を運命づけられることになった。〉

そうです。

2020年11月11日(水) 第7章 ギレヤ  ーー   ロシア・アヴァンギャルドの誕生 
                                           「怒れる詩人たち」(150〜155ページ)


〈フレーブニコフにとって来るべき同志ともなるギレヤ=立体未来派の詩人たちのプロフィール〉の紹介。
それは、ブルリューク、カメンスキー、クルチョーヌイフ、マヤコフスキーの4人です。
フレーブニコフも含めて、全員、社会運動で、逮捕、拘留された経験を持つということが、隠された絆となっていたことを見落としてはいけない、と書かれていました。



                       (2022年11月日付記)

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