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公立病院改革3-18【市長報告】〈2006年〉東北170床 公立F病院

当り前のことだが、15万人市民を有する街のトップたちが扱う案件は、無数にある。
僕らが必死に改善業務を進めている170床の病院も、市長以下、市の幹部にとっては、次々湧き出る事案の一つに過ぎないのだ、、、

そんな当然のことが、会話の様子から理解できてくる。

一方で、その一案件にすぎないF病院事業のために、助役と市の幹部たちが集合しており、これから市長も到来する。
やはりF病院という事案は、市政にとって大変な重要課題であることを再確認した。

市長が到着して、空気が一変した。
それまで小さい会社の社長に会うことは、しばしばあったが、それとは全然違う。


15万市民の、1000人からの市政関係者のトップに立ち責任を負う人間は、こういう風格が出るのか。
そして、周囲はその人間に対して、これほどまでの敬意を払うものなのか。

そんな初めて見る空気感に、僕は圧倒されていた。

我々に何か尋ねる前に、まず助役や幹部たちに、ここまでの報告をさせている。
そして、状況をすべて確認した後に、我々にも業務経過と今後の見通しを尋ねてくる。

もう一人の職員とともに、市長に色々ご報告していく。
その後、様々な全国の議会案件に関わる中で、その一つ一つで何をご報告したかなど、意外に、それなりに今も覚えている。

しかし、このときの市長室の情景や面々の様子はよく思い出すのに、市長にご報告した話の内容は、全然覚えていない。
やはり未経験の現場で、極度に緊張していたのであったと思う。

ただ、ボスから「『公設民営(指定管理者制度)』を導入するしかない」と、言付けをもらってきていたので、それはお伝えした
正直なところ、公設民営の導入がベストであるエビデンスはどこにもないし、そんなことしたら潰れてしまうのでは、、、?
という感じがしていた。


しかし、その市長報告の時点では、僕はまるで理解できていなかったが、既に2市内の政情は、僕が考えていたよりはるかに先を走っていた。


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