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公立病院改革3-48【事業承継先の決定】〈2006年〉東北170床 公立F病院

承継先の決定を行う第二回選定委員会は、F病院で行われた。
全委員、行政担当者、そして僕自身が、ここに集う。

委員会の正式名称は
「第二回 公立F病院 経営移譲事業公募型 プロポーザル審査委員会」 だ。

僕は簡単な財務分析と、ヒアリング資料の整理を終えており、その資料準備が完了していた。
後は、委員会の場でこれを配布し、僕から委員の皆さんにご説明することになる。

委員会の式次第は、次の通り。

1 開会あいさつ
2 応募状況の説明
3 財務内容及びヒアリングの説明
4 応募先選定の協議
5 選定先の決定及び通知の確認
6 閉会あいさつ

行政担当者と僕とで、代わる代わる進行していく。

そして、いよいよ選定先決定という段階に進んでいく。
両団体ともそれぞれに魅力が、長所短所があり、4名の委員の中で活発な議論が行われた。

僕はこの後、十数年にわたって、こうしたプロポーザル案件に関っていくが、「選定のポイント」は事案ごとに違う。

「規模や展開が、大きいほう」
「医療圏が同じ、または近いほう」
「診療科数や、医師数が多いほう」
「医局近しく、通じているほう」

というように、その時々の地域の医療情勢により、求められるものは全然変わってくる。

その点で言うと、今回は絶対的に「財務安定性」が求められた。
公立F病院が、今後どうなっても、その譲り受けた団体内で解決できる強い安定性が、最重要視された。

いかなる事情であっても、譲り受けた団体が運営を放棄したら、自治体倒産のリスクが発生するからだ。

その点を軸として議論された結果、青森発で展開している大きいほうの団体が、経営委譲先として選定されることとなった。

後日、合意・協定に進んでいくわけだが、とにかく関係者一堂(僕も!)、心からホッとした。


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