公立病院改革3-7【診療圏1 分析準備】〈2006年〉東北170床 公立F病院
医療法人の5月申告ラッシュに追われ、すっかりnoteを書き怠ってしまっていた・・・
また今日から、継続して書いていく。
さて次なる業務課題は、「診療圏分析」である。
一般的なビジネスでいうところの『商圏分析』だ。
診療圏分析を取り巻く状況は、いまや完全に様変わりしている。
医師会がネット版二次医療データを出しており、国保統計などがビックデータ化されて、医療業界で日常的に共有される世の中になった。
こうした既存情報を組み合わせた「診療圏分析ソフト」的なものがあるので、クリニック開業向けの簡単なものは、ボタン一つですぐ診療圏分析を出せてしまう。
先日も、ある医療関係の会社に
『診療科〇〇、開業地△△で、分析出せますか?』
と、依頼したら、翌朝には診療圏分析が出てきた。
ただ、上述したポチっと押せばできる診療圏分析は、正確には
「診療圏マッピング」「診療圏の人口動態図」
などと呼ぶ方が実態に近く、本来はそこに『分析』『考察』を加えて、初めて診療圏分析と呼びうるものになるのだろう、と思う。
ただクリニック開業などは、そういうデータのカタマリが出てくることで院長も金融機関も安心できるわけだから、それはそれでいい。
しかし、僕が駆け出しであった20年近く前は、まだ診療圏分析はネット地図、カーナビシステムなどを改良したソフトに、人間が各種データを落とし込んで作っていた。
つまり、手作りに近い診療圏分析が、コンサル成果品になる時代であった。
そして人間が手作りで診療圏を分析するということは、人間がその診療圏を「よく知る必要がある」ということでもあった。
そんなわけで、忘れもしない2018年5月1日、2日の両日、僕はコンサルの大先輩Y氏と共に、二次医療圏内を車で走り回ることになったのである。
この東北の、さる二次医療圏を動くにあたって、事前に医療圏内の病院、クリニックの所在地をマッピングした地図を作成した。
そして、そのマッピングした地図上の病院を順次、車で回っていくのである。
このときの経験を機に、その後今日に至るまで、僕が作る財務分析やコンサル成果品の中には、簡易な診療圏分析が盛り込まれていくことになる。