見出し画像

公立病院改革3-51【後継団体の『辞退』】〈2006年〉東北170床 公立F病院

後継団体は、辞退理由を「移譲条件の不一致」であるという。

確かに、決まった後から移譲条件を一から詰めていく。
そんな緊急避難的な段取りだから、当然、後から一致しない条件が出てくる。

「それはないだろう」という感じもするけど、法的、道義的に、辞退する団体を縛り付ける道理はないから、仕方がない。

前述したように、決定した後継団体は「第一移譲候補者」であった。
従って、ここが辞退したということは、「『第二』移譲候補者」に話が行くことになる。

僕は、第二移譲候補者である病院の、理事長以下皆さんの「熱さ」を味わっていた。
だから、きっとこの病院が万難を排して、後継団体になってくれるのだろうと思っていた。

しかし、その考えは非常に甘かった。
委員会の皆さんは最初から、この団体では無理だという感じを出していたが、全くその通り。

「経営移譲を受けられる体制、状況にないため、引き受けても運営開始までに時間がかかる」

というのが、第二移譲候補者となった病院の回答だった。

それでも、熱意をもってエントリーしてきたわけだが。
常識的に考えたら、60床未満の病院・老健が、170床の病院をやると決めて2ヶ月で運営できるわけがない。

こうして2団体とも後継団体にならないことが決まり、公立F病院業務は完全に「白紙」の状態に戻った。

文字通り、僕は血の気が引いていた。

しかし、血の気が引こうが白紙になろうが、こうなれば「再公募」するしかない。
もう一度、同じ先行プロセスを実施して、新規の後継団体を探すしかないのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?