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公立病院改革4-24【事業化断念へ】〈2007年〉医師・通勤用ヘリコプター事業
当方内でレシプロ機か、タービン機かと揉めていた頃には、すでに相手自治体は医師通勤用ヘリを断念していた。
確かに当方は、頑張って営業はしても、納得いく価格もノウハウも先方に提供できていない。
自治体側は、タービン機の運航価格を知った時点で、本格導入は諦めたようだ。
最初から後ろ向きのまま走ってきた僕も、ここが潮時だと思った。
ヘリ業界とヘリコプターの特性を知るほどに、会計事務所が思い付きで手出しできる領域でないと真に理解できた。
ボスは諦めがつかず、僕に当該自治体との契約に繋げるように指示を飛ばす。
一緒に活動するM氏は「導入には時間がかかる」と理解しつつ、この事業自体は継続したい意向を持っていた。
そういうボスやM氏の意向に沿いたい、という思いもあったが。
相手自治体と複数のヘリ会社との実務折衝を、一人でやっていた僕が、この導入の不可能性を一番よく了解していた。
もはや成案を望むのは当社だけで、相手自治体もヘリ会社も「勘弁してください」という状況にあった。
そのことをボスたちは、理解できなかった。
早々にボスたちは諦めるだろう、とタカを括り、思考停止したまま事案の中心でここまで大ごとにしてきた、僕自身の責任も感じていた。
結局、僕は事務所におけるヘリパート業務からの退任を申し出た上で、有給休暇を取得した。
そのままヘリパートが続くようであれば、もう退職するつもりであった。