公立病院改革4-1【揺れる受験生】〈2007年〉医師・通勤ヘリコプター事業

東北の公立F病院業務を終えたのち、僕は心のどこかで「次のミッション」を心待ちにしていた。

心の底から達成感ある仕事を終えて、きっとボスが次のやりがいに満ちた公立病院業務を持ってきてくれるのでは、と密かに期待していた。

本来的には、僕は最後の一科目を残した税理士受験生だから、こういう仕事へののめり込み方は良くない。
忙しいにしても、明日が見えない激しい業務ではなく、いつ決算、いつ申告、という読める仕事で忙しいのが望ましい。

とかく試験中の勤務受験生などというのは、不安やストレスのカタマリだ。
それが不安定な仕事を抱え込めば、ストレスフルな時間を過ごすことになる。

また所帯を持って受験生活などしていると、生活や時間への心配から、判断力が鈍る。

実はあと一歩、あと一科目で足踏みになる受験生は多く、僕もそうだった。

先日もあと一科目という若い会計事務所職員が、とても悩んでいた。

1 受験に邁進するか
2 いま依頼が来ているビジネス系の財務業務を受託するか

そして、とても迷った挙句、ビジネス系の財務業務を受託した。
しかし、その業務が非常に大変なもので、受験どころではなくなったようだった。

それでも、当時の僕も、やはり次の仕事が待ち遠しかった。

仕事の充実、おカネ、生活、何かにただ没頭する・・・
そういうあらゆる要素と、受験とが綯い交ぜになる、そんな時期だった。

ある日、ボスからついに次のミッションらしい話が出てきた。

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