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公立病院改革4-13【やたらな場所には降りれない】〈2007年〉医師・通勤用ヘリコプター事業
飛び立つ場所もそうだが、着陸する場所が極めて重要だ。
飛び立つ場所は、空港とか倉庫とかヘリポートなどだ。
それらの場所は飛ぶために整備されているから、何か問題になることもない。
しかし着陸する場所が、極めて重要になる。
まず、航空法で定められたヘリポートに発着することが基本だ。
それから、緊急時などに離着陸することを、申請して登録されている場所にも着陸できる。
それは学校のグラウンドや、球場などの広い場所である。
ただ、どんなヘリコプターでもそういう場所に着陸できるわけでない。
あくまでドクターヘリや防災ヘリなどが、必要な時に離発着できるような運用だ。
他にもいろいろなルールや運用があるはずだが、細かくは覚えていない。
ただ、そうした法令や届出上の制約以上に、より基本的な問題がある。
やたらな場所には降りれない。
これがヘリコプターの重要な特質だ。
「乗っていると、上から『電線が見えない』」
これが一番分かりやすい話だろう。
例えば、着陸地を探しているときに、停めやすそうな広場を見つけたとする。
ところが、そこは実はわずかだが、電柱が数本立っていて、電線が数本通っていたとする。
ヘリコプターのローター(プロペラ)は、それに触れてしまったら、終わりなのだ。
小さな電柱の細い電線を、一本でもローターが巻き込んでしまったら、大惨事につながる。
そして繰り返しだが、上空からその電線は視認できない。
だから国もヘリ操縦士たちも、この「着陸場所」というものには最も注意を払う。
我々ど素人は、その辺のことを分かっていなかった。
都市部からへき地、田舎に、簡単にヘリが飛んでいけると思っていた。