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公立病院改革3-20【新聞記事の掲載】〈2006年〉東北170床 公立F病院

市長ら幹部たちとの話の経過から、基本的に両市は病院を手放したいことはわかった。

しかし先に書いたように、一般論として公務員の雇用を奪うことや市民の病院を廃止するような選択は、法律や評判の関係で当然「できない」のだろうと思っていた。

それに、その後の病院コンサル生活で、たくさんの指定管理者制度の導入や経営委譲を見てきたが。
当時は未体験の領域で、理屈では勉強していたが、実際にそんな事案を取扱うこととなるイメージを、一切持っていなかった。

そんなとき突如、地元紙一面にF病院の「公設民営化」案浮上の記事が、大きく掲載された。
勤務先の名称も何度も出ているし、出入りしているコンサルタントって、ボクじゃないか・・・これまた、とんでもないことになってきた。

平成18年10月26日 地元新聞記事


これを誰が新聞社に克明に知らせたのか。
すでに議会などで話題になっていて、議題として論じられていた気もした。
しかし、両市揃い踏みで記者会見したわけでもなし、きっとあの辺が新聞社に話を出したのかな、、、など想像していた。

ともかく、一度こういうものが出た以上、事態は一気に動くことになる。


業績改善や報告書作成に向けて、本件で協力してくれているコンサルタントたちはいた。
しかし、事態は業績改善、報告書作成から一転して、病院を売る売らない、整理するかどうかという話に変わった。
コンサル受託者としては、僕は事実上、唯一の案件担当者だったから、対応に追われることになった。

しかし、ボスは非常に平然としたもので、すでに次の、またその次の展開をいくつも思い描いているようであった。

入社二年目である僕は、まだボスの本質や深さを知らないから「ずいぶん呑気だが、大丈夫なのだろうか?」、と懐疑心を持っていた。


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