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公立病院改革3-30【首長以下、行政組織】〈2006年〉東北170床 公立F病院

少し脱線したお話だが。


民設民営コンペに入る前あたりから、行政人たちとがっちり仕事する機会が増えた。
病院業務の窓口が行政人であることと、行政人とがっちり仕事することは、別物である。

その際に受けてきた、様々な感想について、少し触れておきたい。

先般書いた、初めて市長公室に入ったとき、立派さと重厚さに、上場企業の社長室に入るくらいの衝撃を受けた。
しかし、そもそもその手前の「副市長室」に入った時に、その立派さにかなり衝撃を受けていた。

これまで見てきた印象では、市長室は、どこもそれなりに立派で、会議スペースや待機室が充実しているところも多い。
しかしこの市は、副市長室の時点でかなり立派で、会議テーブルや書籍スペースなどが充実していた。

やはり人口十数万人(僕の感覚では、市民は部下となぞらえて、部下が10万人単位でいる感じだ)が控えている副市長の部屋は、こんなにも立派なのかと、既に驚いた。

それから、市長と会った後には続々と「市の幹部たち」が挨拶にいらした。
へっぽこ受験生コンサルの僕に、「理事」「財政部長」「副部長」など様々な役のある人たちが、ご挨拶されていく。

市長、副市長、理事、部長、副部長・・・と、組織の上のほうから名刺交換していく。
この頃、僕の中で初めて、行政そしてその組織というものが具体化しはじめた。

選挙で当選した首長(知事や市長)が、一手に権限と責任を持って動く。
自治体の大半の文書、決裁、許認可の権限は、首長に集中している。

次に、市長の指名により選任された副市長が、市長の命に従い両腕としてサポートする。
副市長は選挙の洗礼こそは受けないが、他の公務員とは違う「特別職 地方公務員」だ。

その副市長がほぼ直接、局長、部長といったベテラン役人たちを指揮し、役所の各部署を巻き込み、動かしながらミッション達成に向かっていく。

それまでは、公務員はみんなラクちん役人、議員は失礼だが飾り物程度と思っていた。
しかし業務で、組織の中心部から見てみると、日頃窓口などから見える役所とは、全然違う構造があった

動き始めると、早い。
個々人が、組織に与えられた役割を全うする、気迫と責任感に満ち溢れていた。

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