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公立病院改革3-63【工場跡地の施設】〈2006年〉東北170床 公立F病院

視察の第一弾は、宮城県内に本部や主要拠点を持つ医療法人だ。

今回の現地視察は、応募法人の方の運転で、本部と数施設を回らせていただくものだった。
僕のほか、行政の選考委員の方も一緒で、みんなでセダンの後部座席でギュギュウ言いながら乗った記憶がある。

その法人は老健など、福祉施設の運営も多かったので、その施設を見せていただいた。

それら施設は基本的に、日本の大手家電メーカーなどの「工場跡地」を施設に転用していた。
しかし、工場の転用だからといって貧相な感じや、ケチな雰囲気はまったく伝わってこない。

もちろん外見は工場そのものの形状だが、中は、むしろ通常の病院や施設より、空間が圧倒的に広い。
施設基準とか建設費とかこだわらない内部造作だから、天井も高く風通しがいい。

なるほど、このような老人施設の作り方があるのか・・
非常に感心したし、節約肌(?)の僕としては、こういう法人の施設展開が広がると良いな、と素直に思った。

まだ業界丸2年の時期とはいえ、既に色々な病院やその建築費を見せていただいている。
見ていると、施設基準もあるし患者に選ばれる必要もある、のは分かるが、本当におカネがかかる。

このように、様々な跡地を有効活用できれば、必要性が高まる高齢者福祉に大いに助けになるのでないか、と感じ入った。

もう一団体、立派な医療法人がエントリーされていて視察も残っているのだが。
短絡的な僕は、「もうこちらで良いのでないか」などと思ってしまっていた。

そう思ったのは、視察した法人の運営やその施設展開もそうだが、首都圏の法人が東北の病院を運営するのが、当時の僕はイメージできなかったというのもある。

それでももちろん、もう一団体こちらも現地視察に行くこととなっていた。
僕は一足先に東京に戻り、行政の視察担当をお待ちすることとなっていた。

そのとき、承継先の決定まであと2日、である。

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