公立病院改革4-22【ヘリチャーターの基本合意】〈2007年〉医師・通勤用ヘリコプター事業
ヘリパイロットというプロのヘリ関係者の加入で、ヘリ事業で売上が立つ、というムードも出ていた。
しかし実務の中心にいる僕から見ると、その人の加入は単なるコスト増であり、売上に繋がる要素は何もなかった。
確かに対外的に、「プロもいる」と言えることは、営業面でのプラスになるとは言える。
しかし、営業して売るものが確定していないのだ。
客に提供できるサービスが何か、未確定なのだ。
僕は多くのヘリ会社の人たちと直接協議していたから、ヘリ会社がこの事業をどう捉えているか理解できていた。
ヘリの機体を有するヘリ会社は、確かに遊休機体があったり、機体の効率運用に苦慮していた。
ヘリコプターを有効に使いたいという、供給側の事情については、ボスの読み通りだった。
しかし、ヘリの機体を使うコスト、占有するコストの高さを全く知らなかった。
そしてそのヘリを使うコストの高さゆえ、この事業に本腰になる病院は存在しなかった。
一度は関心を持った病院や自治体も、そのヘリ通勤にかかるコストを聞くと、関心を失った。
実務をする僕も、医師を運ぶためだけに年間・数千万~億のヘリチャーターの予算を組む自治体があるはずがないと思っていた。
それでも一件、ある自治体と、ヘリチャーターに関して基本合意を締結する流れができてきた。
このヘリ事業を実施している中で、唯一、事業化の可能性がある案件だった。
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