公立病院改革3-64【首都圏の医療法人】〈2006年〉東北170床 公立F病院

現地視察する2件目の法人本拠地は、埼玉県だ。
東京郊外に住む僕がレンタカーを借りて、行政の視察担当者をエスコートすることになっている。

来る行政担当者は、市の理事とその部下の方。
以前書いたことがあるが、二人共、とにかくフットワークはいいし、仕事も判断も早い。

その後多くの優秀な役人とお会いすることになるが、最初に僕の役人観を変えてくださった二人だ。

法人では、トップである総帥と院長、事務局長など幹部たちがお待ちになっていた。
そして法人の成り立ちから経営状況まで、様々な説明が行われていく。

最初に訪問した、東北中心に医療福祉施設を展開する団体も、とても魅力的だった。
工場跡地を施設化してしまうブルドーザーのようなパワーは、全てを失いかけた公立F病院を、0から再生するに相応しい力強さを感じていた。

しかし埼玉を本拠とするこの法人の、規模、財務基盤、時代を捉えた経営は、我々視察者に対して大きな説得力と持っていた。
こっちがいい、あっちがいい、ではなく、この法人に任せればこの先の心配はないと思わせる説得力だった。

2法人の視察が終わった時点で、従前の書類審査の内容とも合わせて、行政担当者のハラは決まっていたようである。
2日後に控えた第二回選定会議に向けて、2市の市長、幹部たちにも、現地視察の状況は即刻、共有されたようだ。

また決定権は無いが、オブザーバーとして意見してくれる当事務所の税理士たちは、現地視察はしていないが、書類に基づく意見は決めていたようだ。

病院事務組合(企業団)解散の決議日である3月末まであと10日、いよいよ後継法人を決定する最後の会議が行われる。

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