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公立病院改革4-16【県議会向け説明会】〈2007年〉医師・通勤用ヘリコプター事業
少しずつ問い合わせが増えていく中で、県議会からの説明会の依頼なども出てきた。
そういう県は、既に防災用ヘリなどが大切な社会インフラとなっている地域である。
その県で、医師通勤用ヘリコプターの話が聞きたいというのだ。
こういうとき、主たるプレゼン担当はM氏、パワポ作成とQA担当は僕、という役割分担になっていた。
僕は一応、生粋の事務屋であり法律家修業中だから、役割分担としては、まあ妥当だと思う。
ただ従前、書いてきたように、僕はあまりヘリコプターのことは知らない。
しかも、ビジネスモデルが色々な意味で確立していない。
だから出来上がるパワポも、申し訳ないけど実にチャチなものであった。
それでも行ってプレゼンしてしまうのが、我ら30代前半(当時)の向こう見ずな勢い、というものだろうか。
事業が始まって数ヶ月経つと、協力してくれるヘリ会社や、その社員の方が出てきてくださるようになった。
その方々がパワポのうち、具体的なフライト統計や飛行計画などのパートを作ってくださったりもする。
しかし基礎骨格は僕が作るので、あとで見て吹き出してしまうような内容のものも多かった。
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それでも議会の皆さんは、心の底から感じ入ったのか、大人だから我々の稚拙さを見逃してくれたのか。
その場では皆さん、「もしかしたら、買ってくださるの?」と思わせる、高い評価をしてくださる。
しかしその後、我々のプレゼンは話にならなかったことが分かってくる。
ヘリを常態的に必要とする県の方々は、我々よりよほどヘリの機能や業界に詳しかったのである。
それはそうだ、本気で通勤ヘリ導入を考える人たちは、ずっとその辺の問題で苦悩してきているのだから・・・
そんな当然のことが、徐々に分かってきた。