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そんなに仕事が嫌ですか?(FIREに思う)

FIREに関しいろんな記事を読むと全体的には「FIREして解放された」とか「自分らしくなれた」とかというのが基調です。その人が何をしたいのかはわかりませんが、全体的に言えるのは「仕事をやめてよかった」という思いです。

みなさん、そんなに仕事が嫌なんでしょうか?そんなに嫌ならとっとと転職すれば良いのにと思うんですが、どうして転職しないでFIREを目指すのでしょうか?それとも働くこと自体が嫌なんでしょうか?

仕事が好き!(正確には仕事の中身が好き)

お金の心配はしたくないからFIREは目指す。でも、仕事も好きという人は自分を含め結構多いのではないでしょうか?「職場でのめんどくさいことは嫌だけど、仕事は好き」なので「めんどくさいこと」が無くなればハッピーです。

自分も研究/開発の一員として仕事をしながらも管理職として多くの部下を抱え人事評価をしたり目標設定したり予算の折衝をしたり、部下が通勤途中で怪我したといえば労災申請や再発防止を会社に提出するといった「めんどくさい」仕事もしていました。

リタイアまでのシミュレーション

50歳を過ぎてからリタイアについてシミュレーションをしてみたのですが、仕事の内容、給与、待遇、有給休暇の使い勝手、退職金等々をいろいろ考えた結果、「転職せず定年まで勤務したほうが金銭的にお得だし、好き勝手にやりたいことができそう」と結論付けました。

ホワイトな会社は良い

私が勤めていたのは、たいていの人が名前を知っている程度には大きく、業界内ではトップクラスの給与で残業も少なく、休暇も積極的に取得を推奨するような会社でした。定年まで勤務すれば世間相場よりも遥かに高い退職金を貰えます。企業年金は運用利率もよく終身で受給可能。しかも、コロナ前から在宅勤務制度が導入されていたので毎日通勤する必要もありません。

役職定年でFIRE状態

55歳になったときに役職定年になり「名誉管理職」のような扱いになりました。部下はいませんが名誉管理職なので時間は管理されません。ほぼ毎日在宅勤務。要は「成果さえ出していれば文句は言わないよ」という職場だったんです。

人事管理や目標設定等の「めんどくさいこと」からも解放され、加えて好きなテーマに取り組むことができ、それなりに高い給料を貰いながらたっぷりと有休を消化し、平均よりも遥かに高い退職金までもらえる職を蹴る必要はありません。

それに、結果は求められますが、自分のペースで働き好きなことに没頭できる状態はFIREのイメージとも重なりますよね。資産的な話は別にして、役職定年で会社に(あまり)縛られない自由な状態、かつ経済的にもそれなりに独立した状態(=FIRE)を手に入れたと言えるでしょう。

60歳でリタイヤする計画を立てる

今の世の中、60歳で定年をむかえても65歳位までは働くことが一般的です。ただ、自分が所属していた会社は60歳を越えると再雇用扱いとなり名誉管理職扱いは終了し一般職と同じ扱いになり好きなテーマを時間管理されずに継続するのは難しくなります。
60歳で引退すると公的年金が支給される65歳までどうやって食いつなぐかを真剣に考えないといけませんが、日本人の健康寿命が72歳程度なことを考えると65歳まで働くと自由にできるのは7年しかありません。せめて10年は欲しいところです。なので、60歳からを自由に生きるという目標を立てました。

というわけで、60歳を迎え定年になったと同時に退職しました。退職金は非課税枠いっぱいを現金でもらい投資信託や株を積み増しし、非課税枠をオーバーしている分については企業年金(終身)としています。

定年後は?

訳あって定年退職と同時にIT系の会社に転職したのですが、そこもすぐに辞めました。住宅含め各種のローンは定年退職までに完済しているので今は無借金です。再就職したおかげて健康保険料も劇的に下げることができました。このため企業年金と運用益で生活資金に不足はありません。

現在は、今も働いている奥さんに少し嫌味を言われながらも、読書したり旅行の計画立てたり、仕事の延長みたいなセミナー受講したり、趣味でラズパイのプログラミングしたり、ラズパイを動かすためにAWSのフォーメーションを考え構築したり、ブログの記事を書いたり、ランニングしたり自転車乗ったりでそれなりに充実した生活をしています。

最後に

仕事(正確には仕事の中身あるいはテーマ)が好きなら、居心地が良く高い給料と好待遇の会社に転職するのは副業や起業よりも遥かにハッピーで、かつ、資産も形成できると思うわけです。

好きなことを行うために高価な設備や機材が必要な場合、組織を離れると当然それらを使うことができなくなります。なので好きなことを続けるためにも会社の看板を使い倒すつもりで進めるのが良いと思います。

会社に所属していても、経済的な自由と好きなことを両立させることは可能だと思います。そのためには、自身の考え/価値観と会社の状況をしっかりと見極めることが重要でしょう。

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