不安中毒
今日は1月19日木曜日、こんばんは岸波豊です。
この記事は、前回ご紹介したアンデシュ・ハンセンさんの「ストレス脳」の感想編です。
人間は、不安によって危機を生き延びたからこそ、今もなにかしら不安を感じる、というのはよくわかります。不安がちな方が、生き延びやすかったからの適者生存。
では、今も不安を感じ続ければいいのかというと、環境を変えたから、不必要ではあるんだと。
勝ちパターンを捨てられないため、変化に対応した者に負けてしまうという話を参考に、ここは変化したいところです。
本でも不安にとらわれないということが言われているものの、やはり難しいとも言われます。
その中でも不安や恐れの感情を、言語化すると前頭葉が活発化し、扁桃体が落ち着くというのは、重要な示唆です。マインドフルネスに効果があることが脳生理学的にもいえるということだからです。また、意識を今ここに集中させることで、ひとつのことしか考えられない脳にとっては、不安からそらすことも可能になります。
不安が起きそうになったら、不安を流してみる。流せなかったら、不安そのものを言葉にしてみる。
マインドフルネスと脳生理学が結びつき、また、不安がデフォルトであるのて不安に囚われてしまうことがあることもやむなしと、ある種の諦めの境地にいたります。
諦めたときに、逆説的に囚われから解放される。
それにしても、不安から注意をそらしてみても、不安から起きる行動をしたくなる衝動は、強烈に甘美で達成感がありそうで、恐ろしく中毒的です。
そういう意味では、不安中毒として生き延びてきたとされるわけですから、そこから意識をそらすことなんて、いわば禁断症状……なんですね。
簡単にはいかないわけです。
引き続き感想編を続けます。