捻くれ者

1994年の九州生まれ。渋谷の某企業で働いています。 主に仕事の話、個人の話、映画、小説の話などゆるりと語ります。

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『風の歌を聴け』/村上春樹(ネタバレ含む)

とあるラジオで高橋源一郎が村上春樹のこの作品を読んで「作家をやめようと思った」という話をしたのをたまたま聞いていた。そのとき、ちょうど読み終えた直後くらいのタイミングだったので、すごく共感したのを覚えている。「こんなにも苦しくさせる作品はないし、同時に元気にさせる作品もない」と。それと同時に、文書を書く上で大きく影響を受けた作品でもある。それは書き方もそうだけど思想や書く意味としての影響といった意味で。 そもそも僕は、最初、村上春樹のことがそこまで好きな作家ではなかった。初め

    • 【最後の作品/創造とは】君たちはどう生きるか【ネタバレあり】

      ネタバレを含んでいますのでご注意ください。 前作「風立ちぬ」から10年経っているらしい。当時自分は大学生くらいの年齢で地元の小さな映画館で鑑賞した。最高だったし、これが彼の最後の作品なんだろうなと思った。 と思ったら、なぜか新作が出ていた。それを知ったのが公開初日でとりあえず鑑賞してきた。 感想として、視聴後第一声が「うん、よくわからない」だった。 吉野源三郎さん原作の「君たちはどう生きるか」と同じタイトルなので、かなり現実的な作品で多少のジブリ的世界観を反映しているのだ

      • 【明け方の若者たち】時ともに諦めと、ありふれた喜びよりも快い、静かな憂いをもたらされました。

        京王線沿いに住んでいた時、始発の電車に揺られながらふと見た朝日のことを思った。 その日は、雲ひとつないけれど少しだけかすれた空で、太陽はまるでスーパーで売れ残った半額のおにぎりのように少し寂しそうにしていたければ、それでもいつもと変わらないあたたかさで東京を照らしていたし、そんな空をみて、土曜の僕の休日はずっと布団の中だなと考えながら見ていた気がする。 『明け方の若者たち』を見終えて、まず思い出したことがそれだったし、翌々考えると、ここ数年朝帰りする前に意地でもタクシーに乗

        • 論理的になればなるほど、創造性は失われる

          タイトルはレイモンドチャンドラーの作品から引用させていただきました。レイモンドチャンドラーの作品は年末に必ず再読する書籍で、毎年これを読んでようやく年末を迎えたなという気分にさせます。 さてこの論理性と創造性について、僕の中で大きな命題となって常に自身を問います。もともと論理的な思考が強く、創造性を苦手としている部分があり、それは個人としてストレングスファインダーが「原点思考」「回復思考」に振り切っている点や、そもそもとして歴史を好みに過去を学び、そこから何かを汲み取り、今

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          [ネタバレ]花束みたいな恋がしたいを見た

          こういう作品のレビューコンテンツを見る際、基本的にはあらすじから始めるものだと思う。ただ、正直つらつらと記載されているあらすじをちゃんと読んだことがない。なぜならだいたいが公式サイトからの引用だし、おおよその人は鑑賞した後にレビューブログを見る、もしくは鑑賞前でもYouTubeなどで、ある程度あらすじはインプットした状態で読むだろうから。 なので何が言いたいかというと公式サイトとYouTubeの動画を引用するのでそこを見てください。笑 これは恋愛映画ではない 恋愛映画で

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