大好きなドラマ、『JIN-仁-』、風水と儒教、思いやりの心
①江戸幕末にタイムスリップ
滅茶苦茶、大好きなドラマ、『JIN-仁-』。
再編集した特別編、録画してみています。
いずれも、ゴールデンタイム並みの
二桁視聴率を獲得、大きな注目を集めています。
このドラマは、現代に生きる脳外科医が、
江戸幕末にタイムスリップ。
当時猛威を振るっていた、感染症と向き合い、
身の危険にさらされながらも、
人の命を救おうとします。
江戸の街に伝染病、コロリ(コレラ)が蔓延して
医療崩壊に見舞われる様は、
新型コロナウイルスの感染拡大に苦しむ、
我々自身の姿を見ているようです。
さて、人が吉相であるための基本が、
風水の基本、「儒教」の中にあります。
風水の三分の一が、ここから得られるといっても、
過言ではないでしょう。
その中でも、最も重視したのは,「仁」、
「自己抑制と他者への思いやり」です。
自由という名のもとに、わがまま、自分勝手な
現代人の多くが、忘れてしまった心、「仁」、
是非とも、体得したいものですね。
②風水の基本、儒教と仁
儒教(じゅきょう)とは、紀元前の中国にはじまり、
東アジア各国で2000年以上に渡って、
強い影響力を持つ思考または信仰です。
「孔子」によって体系化され、仁義の道を実践し、
上下秩序(じょうげちつじょ)を唱えました。
その教えは、「徳」によって天下を治めるべきであり、
事実、そのように歴史が推移してきたとされています。
「儒教」は風水にとって、基本中の基本、
と言えます。
③自己抑制と他者への思いやり
儒学の教えのなかで,孔子が最も重視したのは,
「仁」です。
「仁」とは通常、孔子が提唱した
道徳観念のことで,「礼」に基づく
「自己抑制と他者への思いやり」のことです。
道徳思想の中心に据えられ,「仁」はあらゆる
徳を統括する、一番大切な徳としました。
近代になると中国では,「万人の平等を実現する、
相互的な倫理と、みなされるようになった」、
と云われています。
そして,「真の人間らしさの発現」、
「人間としての徳(とく)と慈愛(じあい)」
の実践を、大切にしています。
「人としての徳を磨き,それを広くおよぼす」、
そして、「己れの欲望に打ち勝ち,
善なる本性を回復する」、
立場として重要視されるようになりました。
つまり、わがまま、自分勝手な人は、
思いやりの心がない、ということですね。
《重要事項》
儒学の教えのなかで、最も重視したのは、
「自己抑制と他者への思いやり」です。
④僧侶から武家、明治維新へ
日本へ儒教が伝わったのは、今から約1500年前、
513年のことです。
つまり、おおむね5世紀頃には伝来していた
ものと考えられ、聖徳太子の十七条憲法にも
影響が及んでいたとされます。
江戸時代になると、それまでの
「仏教の僧侶らが学ぶたしなみ」、
としての儒教から、
武家層を中心とした儒教、へと日本に
定着していきます。
そしてやがて、明治維新への原動力の
一つともなりました。
ドラマ、『JIN-仁-』の時代背景です。
世のため他人のために、命を捨ててもいい、
と考える若者、維新の志士たちの登場です。
一方、一般民衆においては、学問としての
儒教思想は、ほとんど普及しませんでした。
しかし貧しい時代、助け合い、思いやりの心は、
自然に身についていたのかもしれません。
⑤儒教は国民全体へ拡大
封建時代は終わり、1885年に儒教的な道徳教育を
規制する命令が出されました。
しかし、教育勅語(きょういくちょくご)などに、
儒教が取り入れられます。
近代天皇制のもとでは、国民全体に強要されたのです。
第2次世界大戦後、影響力は弱まりましたが、
現代でも『論語』の一節が、引用されることは多く、
日本人にとっては、親しまれている存在です。
つまり儒教は、僧侶や武士にとどまらず、広く
民衆に浸透していきます。
とはいえ戦後、世の中が豊かになり、わがまま、
自分勝手な人が、どんどん増えてしまいます。
そして、自由を言い訳にして、
「思いやりの心」がなくなってしまうのは、
非常に残念なことです。
《重要事項》
儒教は、武士や一部の農民・町民など限られた
範囲から、国民全体の道徳に広がりました。
⑥絶対ダメ、わがまま、自分勝手
現在、儒教はあくまで
「思想論の一種であって、宗教ではない」、
とする考えが一般的です。
しかし、儒教を思想とみなすか、
宗教とみなすかでは、
完全に見解が分かれており、
たびたび論争の焦点になっています。
また現代においては、儒教は
忘れ去られた存在、とも言えるでしょう。
そんななか、コロナと戦う医療従事者には、
頭が下がる思いです。
猛威を振う、感染症と向き合い、
身の危険にさらされながらも、
人の命を救おうとします。
我々のDNAの中に、先祖から引き継いだ
儒教の教え、「仁」が、まだ生きている
のかもしれません。
古来から、「因果応報」とも言います。
自由を言い訳にして、わがまま、自分勝手
をしてたら、ろくなことがありません。
そんなことを、するのはやめて、
「思いやりの心」を持ちましょう。
そうすると、巡り巡って、幸せが訪れますよ。
間違いありません。
建築家・風水師 江口 希之