【こんな映画でした】962.[フランス軍中尉の女]
2023年12月 4日(月曜) [フランス軍中尉の女](1981年 THE FRENCH LIEUTENANT'S WOMAN イギリス 124分)
カレル・ライス監督作品。メリル・ストリープ(撮影当時32歳)主演。19世紀半ばの舞台(映画の劇中劇)では、未婚のサラ役(家庭教師)。現代は1980年の設定のようだが、ここでは既婚のアンナ役(映画俳優)。相手役は男性はジェレミー・アイアンズ(撮影当時33歳)が、それぞれチャールズ役(考古学者)とマイク役(映画俳優)。なおチャールズの婚約相手をリンジー・バクスター(撮影当時16歳)。老けて見え、この年齢を調べてみて驚いた。
オープニングシーンで、映画撮影のように「スタート」の声が掛かるので、この映画は一体何なのだろう、と。その後、カットバックで19世紀(映画そのもの)と20世紀の現在(映画製作のプロセス)が繰り返されていくので、ようやくこれは劇中劇だと分かった。
それにしてもこの「フランス軍中尉の女」とあだ名された女性を、どう理解すればいいのだろう。ネタバレになるが、おしまいの方で実は彼女はその「フランス軍中尉」とは深い関係には到らなかったと告白している。つまり彼がいる宿屋まで追いかけていき、その見てる前で彼が娼婦らしい女性と出て行ったのだった。それを見て彼女は身を翻したということ。
そもそも彼女は「家庭教師」を職業としていたということから分かるように、19世紀当時として女性で教養・学力のある(身につけることのできた)女性は、非常に少なかったはずである。彼女の生い立ちは紹介されないが、一定程度の財産のある、教育を受けることのできる環境にあったことは間違いない。
ラストは、果たしてハッピーエンドなのかどうか。過去の方では、二人してボート遊びをするシーン。一方、現代の方は彼女を追いかけていくが、あえなく車で夫ともに去って行くのであった。