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【こんな映画でした】871.[エイジ・オブ・イノセンス]

2023年12月 7日(木曜) [エイジ・オブ・イノセンス](1993年 THE AGE OF INNOCENCE アメリカ 138分)

 マーチン・スコセッシ監督作品。主演はダニエル・デイ=ルイス(撮影当時36歳)にミシェル・ファイファー(撮影当時35歳)、ウィノナ・ライダー(撮影当時21歳)。

 原題のイノセンスの意味はどれだろうか。「潔白、無垢、純潔、純真、無邪気、無罪」とある内の。「無垢な時代」・「純真な時代」・「無邪気な時代」・「潔白な時代」。いずれにしてもそれらは女性に求められたが、男性は愛妾を抱え、子どもを産ませて、それで何の道徳的なお咎めもないのだ。一方、女性には厳しく純血・無垢が求められ、離婚すら許されないのであった。

 アメリカ合衆国は自由の国、などとの幻想をばらまいているが、何のことはない本家本元のヨーロッパでのやり方をそのまま踏襲しているのである。上流階級は、まさに特権階級であり、一般庶民は彼らの眼中にはないのだ。

 舞台は、1870年のニューヨークの社交界。そのお金を湯水のように使い、彼らの特権を享受している。そんな中での結婚というものは、自ずから家と家との政略結婚ということにならざるを得ない。そんな中でのメイとニューランドの若いふたりの婚約から結婚、そしてメイの死までが描かれている。

 ラストシーンでは、はっきりと再会せずに立ち去っていく様子が描かれている。ヨーロッパ映画では、彼はベンチに佇んだままで、後はどうなるかは観客におまかせ、でフェイドアウトだろう。

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