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【こんな映画でした】15.[寄席の脚光]

2022年 1月15日 (土曜) [寄席の脚光](1950年 LUCI DEL VARIETA VARIETY LIGHTS[米] LES FEUX DU MUSIC-HALL[仏] LIGHTS OF VARIETY[英] イタリア 93分)

 監督はアルベルト・ラトゥアーダとフェデリコ・フェリーニ。浮気などうしようもない座長にペッピノ・デ・フィリッポ(撮影当時46歳)、その長年の恋人役にジュリエッタ・マシーナ(撮影当時30歳)、美人である。そして座長の浮気相手となる踊り子をカルラ・デル・ポッジョ(撮影当時24歳)。
 私の興味は、フェリーニの初期の作品であるということと、何と言ってもジュリエッタ・マシーナを観たいということだった。

 男というのはどうしようもない。若い子(ここでは踊り子)にすぐ手を出す。恋人や妻(ここではマシーナ)がいるのに、といったところか。本当にその若い女の子の天分を見抜いてであればまだしも、見た(会った)瞬間に「素晴らしい」というのだから、やはりそれは下心のあるウソなのだろう。

 ただこの座長の場合、本当にこういう仕事(寄席)が好きなのだろう。どうしようもないが憎めないという人間を造形している。脚光を浴びるというのはとても魅力的で、人間をとろかしてしまう魔力があるのだろう。それがたとえ一瞬のことであったとしても。今に生きる私たちも同じだ。

 なおDVDは日本語字幕のある廉価版で観たが、そのあとに入手したブルーレイディスク版で観てみると圧倒的にそのモノクロ映像が美しかった。もっともこちらは英語字幕版なのだが(アメリカのクライテリオン版)。


このコラム「【こんな映画でした】」は。――映画を観たら、何かを感じ、何かを考えます。そんなことのメモ、――それがこのコラムです。2022年 2月

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