【こんな映画でした】171.[パラダイン夫人の恋]
2020年 6月 2日 (火曜) [パラダイン夫人の恋](1947年 THE PARADINE CASE アメリカ 115分)
アルフレッド・ヒッチコック監督作品。やはり上手いものだ。スッと見させられてしまう。裁判ものはいろいろあるが、はじめは少しずつ小出しにして、最後は一気に裁判シーンを見せていく。それでも間にクッションを入れて。そのあたりの微妙な配合が上手いのだろう。
弁護士にグレゴリー・ペック(撮影当時31歳)、パラダイン夫人にアリダ・ヴァリ(撮影当時26歳)で、[夏の嵐]で観ていたのでなじみがあった。最初のキャスティングでは、彼女ではなくグレタ・ガルボだったらしいが、断ったとのこと。そのおかげでアリダ・ヴァリがアメリカ映画デビューとなったらしい。
邦題は「恋」とつけることによって、観客の興味をそそるようにしてあるが、折角のミステリーなのに、そのようなヒントは余計だろう。原題は素っ気ないかもしれないが、ミステリーだからそれで良かったと思う。「パラダイン事件」で。もっとも発音は「パラダイン」ではなく「パラディン」のようだが。